データ整備が30日から1日に短縮
これらの課題を一貫して解決するのが、Marketing as a Service(MaaS)の概念から誕生した、「DNP マーケティングクラウド」だ。顧客行動に紐づく様々なデータをマーケッター自らが統合管理し、状況に応じてデジタル施策とリアル施策を柔軟に使い分けることができるマーケティングプラットフォームだ。データを「貯める」「強化する」「活用する」というプロセスごとに様々なサービスを提供する。
まず、「貯める」のプロセスでは、データレイクの機能を用いる。データが大量であるほど作業に負荷がかかりやすいが、仮想化技術を導入し、取り扱いしやすい環境を整えていることが特長だ。
続く「強化」のプロセスでは、データの準備や整備を行う、データプレパレーションがメイン機能となる。これまで時間がかかっていたデータクレンジングをシステムに任せるため、データアナリストがデータ分析などの本来の業務に集中できる体制が整う。データプレパレーションを支える強力な技術が、「Paxata(R)」だ。とある大手流通企業では、決済や顧客データなどをすべて一元化し、顧客に適切なクーポンを発行していたが、データ整備に30日もかかっていた。これを、Paxata(R)は1日に短縮。スピーディな施策実行に活用できる。
そして「活用」プロセスでは、現在開発中のマーケティングオートメーションが目玉となる。その特長は、広告やメールなど、様々なコンテンツのアウトプットが効率的に作成できること。たとえば、CDPと連動して、パーソナライズ動画も作成できる。
デジタルとアナログのコミュニケーションで顧客体験を最大化
天本氏は、施策実行領域のサービスとして、MAと連携してパーソナライズしたDMをタイムリーに配送する「パーソナライズドDM(DNP パーソナライズド・オファー)」の実現についても触れた。
「たとえば生命保険の加入者が、退会情報のページへアクセスしているとします。この顧客は解約する可能性が高いと考えられますよね。するとMAから、顧客に合った契約内容を盛り込んだDMが翌営業日に発送できます。このようなオペレーション含めて、リアルタイムにパーソナライズされたDMを出すことができるのです」(天本氏)
企業のデジタルマーケティングの課題を、ワンストップで解決していく「DNP マーケティングクラウド」。LINEチラシメディアフォーマットや動画広告、パーソナライズドDMなど、施策のポートフォリオが広いことも強みだ。
「お客様は、アナログとデジタルの環境を行き来します。DNPでは、お客様のそのときの状況にふさわしい施策を、ワンストップでオファーできます。次のマーケティングに必要な価値提供を生み出す、重要なソリューションとして活用いただけるのではないかと思います」(天本氏)
天本氏は、開発中のMAに加え、今後も企業が抱える課題に対応する機能を取り入れ、サービスをブラッシュアップしたいとまとめ、セッションを締め括った。