テレビとTwitterを連動した施策を行うメリットとは?
MZ:日産自動車のTwitter活用の現状がわかったところで、直近行った施策で効果的だったものを海鋒さんからお伺いしたいと思います。
海鋒:直近良かった施策でいくと、プロ野球のオールスターゲームの開催にあわせて行ったキャンペーンになります。スポーツイベントに協賛した場合、テレビやラジオなどのマス媒体における露出換算しか数値として取れないケースが多いんです。そのため、「テレビを見たことで日産自動車のWebサイトにどの程度来ているのか?」といったことは把握できませんでした。
海鋒:そこでTwitterとテレビを連動させた施策を実施することで、認知にとどまらないエンゲージメントを獲得するとともに、両メディアの効果を明らかにしたいと考えました。ちょうどオールスターゲームに協賛するタイミングで、2018年度の登録車販売台数ナンバーワンとなったノートに関するキャンペーンを行いました。
MZ:大久保さんにお聞きしたいのですが、日産自動車のようにテレビとTwitterを連携させるような取り組みについての相談は増えていますか。
大久保:年々ニーズが高まっていますね。今回の日産自動車様との施策もそうですが、マス媒体との連動は我々も全社を挙げて積極的に取り組んでいます。
特にテレビに関しては、Twitterと非常に親和性が高いと思っています。なぜならテレビを見ながらTwitterを利用するといったことが、日常生活に浸透しつつあるからです。Twitter利用者の8割以上がテレビを観ながらTwitterを使用しています。
さらに、そのうち半数近くがテレビとTwitterを一緒に使うことで「よりテレビ番組が楽しめる」と考えています。
Twitterは利用者同士の会話が生まれやすいプラットフォームです。テレビとTwitterを連動させることによって、Twitterがテレビの話題の受け皿になり、またそこからブランドについての会話が広がっていきます。
野球×自動車で200万超のインプレッションに
MZ:どのようにして、テレビとTwitterを連動させたのでしょうか。
海鋒:テレビ番組との連動感をどう出すかが大事だと思います。我々が訴求したいのは、ノートに搭載されているe-POWERという技術がもたらす気持ちの良い加速性能です。そして、訴求ポイントと野球に共通する部分を探したところ、野球選手の打球速度であればブリッジさせることができるのではと、オールスターゲームに出場している選手で最も打球速度の速い選手を決める「日産ノート e-POWER賞」を設けました。
そして、この賞をどの選手が獲得するかを予想できるクイズを、Twitter上でカンバセーショナルカードを使って実施しました。こうすることで、視聴者の方も「打球速度が一番速い選手は誰だろう」と参加したくなるような仕掛けができました。加えて、普段自動車関係の情報に反応しない人でも、このようなキャンペーンにすることで参加してもらえると考えました。
MZ:確かに野球に関するクイズ形式にすることで、自動車に関する興味関心が薄い人でも参加しやすそうですね。
海鋒:イベントなどでハッシュタグを付けて画像付きツイートを投稿したらプレゼントをあげるようなキャンペーンも実施してきましたが、このようなものだと参加していただくハードルが意外と大きいのです。そういった部分を排除できたのは非常に良かったと思います。