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どの顧客接点からでも提供する価値は同じ 堀場エステックがMarketo Engageで進める営業変革

2019/11/05 10:00

 BtoB/BtoC、企業規模を問わずに、顧客体験を重視する様々な企業で活用が進む「Marketo Engage」。堀場エステックも導入企業の一社である。同社は京都に本社を置く分析・計測機器メーカーの堀場製作所の100%子会社であり、半導体製造装置で使用する流体の流量制御機器を主力商品としている。2018年の「Marketo Champion」受賞者の一人でもある志知氏にこれまでの取り組みを聞いた。

目次

どうすれば売上に貢献できるのか 営業出身のマーケターとしての課題感

――まず堀場エステックの事業内容とご自身の業務内容からお話しいただけますか。

志知:堀場エステックはHORIBAグループの一員で、自動車計測、環境・ プロセス、医用、半導体、科学で構成される5つの事業体のうち、半導体事業を展開している会社になります。私の役割は営業本部の中のデジタルマーケティングチームのリーダーで、オフラインの展示会やセミナー、オンラインのWebサイト運営からメール施策まで、あらゆる顧客接点を活用し、販売促進活動を進めることです。現在のチームメンバーは全部で5人。兼任でITのメンバーも在籍しています。今年からインサイドセールスのメンバーも加わりました。

――営業に成果を示すことを重視してきたと聞いています。Marketo Engageの導入目的や背景について教えてください。

志知:導入自体は2015年の秋ですが、本格的に活用を始めたのは2016年に入ってからです。当時の関西では、MAについての情報を得られる機会が少なく、セールスフォース・ドットコムのユーザー会に参加した時の会話の流れでキャンペーンの話になり、MAとMarketo Engageの存在を知りました。ちょうど営業から販売促進に異動し、展示会を担当することになったばかりの頃でした。どうすれば売上に貢献できるかを考えていた時、MAを導入すれば営業に貢献できるかもしれないと思ったのです。今は国内での活用が中心ですが、グローバルで使える製品であることが導入の決め手になりました。弊社と科学事業部の二つの組織が最初に使い始めました。

――当初から売上への貢献という課題に向き合っていたのでしょうか。

志知:私自身が営業にいたことがあり、売上にこだわりがあります。間接部門に移っても、数字をシビアに見られていることを理解していました。もちろん営業への貢献はすぐに実現できたわけではありません。試してみたいと思う人を募って、集まったのが営業出身のメンバー3人でした。そのメンバーはいずれも幅広い商材を扱っており、担当するお客様の数も多く、人海戦術では限界があると感じていた人たちでした。お客様のことは私自身も営業出身ですから、肌感覚として知っています。導入したツールをどうやって使うかを皆で考えるところから始めました。

株式会社堀場エステック 営業推進部 デジタルマーケティングチーム チームリーダー 志知文氏

失敗から学んだ、インパクトが大きいところから始めることの重要性

――営業マインドをもっている人がMA活用に挑んだことが成功した要因の一つに思えます。

志知:スモールスタートからスケールアウトさせるのが王道だと思いますが、最初は失敗しました。私たちは色々な商材を扱っていますが、営業があまり売ろうとしない少額商材をマーケティングが受け持てば、工数削減になると考えたのです。でも、実はその商材はナーチャリングの効果が出るものではありませんでした。アドビ(旧・マルケト)のコンサルタントに相談したところ、営業が売りたい商材ではないことが問題と指摘されました。マーケティングが営業と共通目標を持つことが重要と気づいたのはその時です。

 2017年からは、営業がプロジェクトを立ち上げて取り組むテーマがあったので、その担当に掛け合い、MAを使った施策を一緒にやろうと提案し、受け入れられました。

――営業の優先順位を理解し、サポートしてくれるのは営業としてもうれしいでしょうね。

志知:失敗から、最初はインパクトがあるところを狙う必要があることを学びました。それ以来、やったことを中心とする定性的な報告から、施策を実施した成果をコンバージョンレート、商談化率、商談数などを定量的に報告するように、私たちも変わりました。フィードバックを営業のトップからもらえるようになりましたし、それだけ高度なことをやっているなら専任体制が必要と認識してもらい、その体制ができたのが2018年夏のことでした。

 2018年は主力商材の領域と拡販したい商材の領域を分け、営業とそれぞれの施策の方向性を話し合い、施策を進めました。また、インサイドセールスは営業との連携を効率化しようという流れで設置することになりました。私たちの取り組みに営業からの反発もありましたが、お客様を中心に定量的な数字を共通言語に話をすることで、インサイドセールスやマーケティングからそれぞれ「この数字ぐらいなら渡せる」と提案し、少しずつですが納得してもらえるようになりました。


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