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MarkeZine Day 2019 Autumn

継続率99.5%を誇るSmartHRのカスタマーサクセスチームが、顧客のために“あえてやらない”こと

“顧客がサービスを使いこなしている”という過信

 顧客数も売上も堅調な伸びを見せる中、次に来るのが「理想を追い求める時代」である。社員数も増え、設定代行以外の施策ができる体制が整った同社は、顧客の利用状況を把握するツールを導入し、データドリブンな顧客分析と営業活動に挑戦した。ただし、顧客が契約更新をするための施策に着手するも、決定的な問題を発見した。

 「当時、私たちは“顧客が何を期待してサービスを導入したか”を把握できていなかったのです。そして、顧客がサービスをどのように使っているかを知ることなく、顧客がサービスを使いこなしていると過信していました」(高橋氏)

 こうした問題を解決すべく、SmartHRでは顧客の定着と継続利用を実現する仕組みである「オンボーディング」を定義した。

 「オンボーディングは、“『SmartHR』を導入したことで、導入前に抱えていた課題を解決し、効果を実感している状態”と定義しました。それに則って、我々は設定代行を廃止しました。なぜなら、最初に設定代行をすると、サービス利用に必要な知識を顧客が習得できないからです。この状態では、顧客に『SmartHR』利用の効果を実感してもらえないと考えたのです」(高橋氏)

SmartHRが決めたオンボーディングの仕組み

 SmartHRが決めたオンボーディングの仕組みはこうだ。まずはミーティングで顧客課題を確認し、オンボーディングのゴールをすり合わせる。そして、運用開始までのスケジュールを調整し、問い合せの方法を説明する。

 次に顧客が価値を感じる機能と、顧客環境での設定を詳説する。その際には従業員情報の取り込み方法もレクチャーする。この段階で運用面の疑問点を顧客に解消してもらう。

 運用がスタートしたら、スケジュール通りに進捗しているかを確認したり、設定/利用状況をモニタリングしたりする。そして、スケジュール遅延が発生している場合は、状況とその原因を確認する。最後は運用開始後1ヵ月をめどにミーティングを実施し、今後の改善内容や、現在は課題であるものの今後の開発で解決しそうな課題を確認し、次につなげる。

 「お互いの実行事項をスケジュールに落とし込んで可視化し、タスクの完了日を埋めていくことで、お互いにコミットするようにしました。また各タスクの担当者を事前に明確にし、オンボーディングのゴールを記載にすることで、運用開始後に状況を振り返ることができるようにしました」(高橋氏)

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この記事の著者

鈴木 恭子(スズキ キョウコ)

 東京都出身。週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社。「Windows Server World」「Computerworld」などの記者・編集を経て2013年にITジャーナリストとして独立。主な専門分野は組込系セキュリティ。現在はIT(Information Technology)とOT(Opera...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32163

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