ブランディング活用で大切な2つのポイント
続いて登壇したのは、Facebook Japanでクライアントソリューションマネージャーを務める竹林明日美氏。
「すべてのブランド担当者の方に考えていただきたいことが2つあります。まず、ブランドのアイデンティティを定義すること。Instagram上でどんなキャラクターがどんなメッセージを伝えていくのかです。2つ目は、ビジネスにおけるInstagramの役割を定義することです」と竹林氏は話す。
ブランドのキャラクターとInstagramアカウントから発信するメッセージの方向性を決めたら、それをプロフィールページに落とし込んでいくことが大切だ。それがInstagramにおけるブランドの顔となるためだ。プロフィールページは作ったらそれっきりにせず、新商品リリースのタイミングなどで定期的にアップデートしていく必要もある。というのも、プロフィールページにアクセスする人の3分の2が非フォロワーであり、多くの人がここを見てアカウントをフォローするか決めているからだ。
数百種類以上あるシグナルの中で重要なもの
さらに、竹林氏はファンを獲得した後のコミュニケーションのヒントとなるInstagramのアルゴリズムについて紹介した。Instagramには、大きく分けてフィードとストーリーズがあるが、どちらも利用者の日々のアクションをシグナルとして集め、計算の上で優先的に表示されるものを決定している。
数百種類以上あるシグナルの中でも重要なのが、興味関心と関連度の2つだ。前者は、コンテンツへの関心度の高さをスコア化したもので、後者はアカウントとのつながりの深さを視聴履歴やアクションを基に計算している。竹林氏は、「これらを踏まえ、楽しんでもらえるようなコンテンツを戦略的に配信していき、より多くのコンテンツで、より長い時間接点をもつことが大事です」と説く。
そのための具体的な方法として、まず投稿に統一感をもたせることを挙げた。ブランドが複数ある場合は、それぞれのブランドのキャラクターを統一させ、ブランドごとにオーディエンスと適切なコミュニケーションを取るために、アカウントもそれぞれ用意するのが良いという。そして定期的に投稿することで、シグナルを安定的に貯めていく。また、ビジネスプロフィールの機能を利用することで、インサイトで投稿の反応を見て質を上げていくことや、コメントにはできる限り反応して双方向のコミュニケーションを取ることも大切だ。
ストーリーズはブランドをより身近に感じてもらえる場所で、フィードに比べてカジュアルでよりインタラクティブなコミュニケーションが適している。たとえばセールや季節ネタなど期間限定的なお知らせや、完成された広告よりは、撮影の舞台裏、NGシーンなどより利用者が自分ごと化しやすいコンテンツと相性が良い。アンケート機能やライブ配信時のコメントで利用者とコミュニケーションをとり、シグナルを溜めることもできる。
そして、既存のフォロワーにもリーチを広げるためには広告が効果的だ。Instagramでは、新たに「ブランドコンテンツ広告」をはじめたという。通常のインフルエンサーマーケティングにターゲティングを組み合わせたものだ。これにより、企業はより多くの、そして狙い通りの利用者に絞ってコミュニケーションしていくことができる。