カヌーの羽根田選手ら語る、Instagramの可能性
イベント後半には空手の植草歩選手、カヌーの羽根田卓也選手、Facebook Japanの水谷氏、電通デジタルの小林慎一氏によるパネルディスカッションが行われ、アスリート、ビジネス両方の視点からInstagramの活用、コラボの可能性など、いくつかのテーマで話が交わされた。
まずは3万人以上のフォロワーのいる植草選手、羽根田選手の両選手に、Instagramによってファンとのつながりが感じられた瞬間を聞いたところ、それぞれからエピソードが語られた。
「試合に負けたときでも、できる限り早くInstagramで報告するようにしている。日ごろからInstagramを見てくれているファンの方は近況をわかっているので、ファンの方々からたくさんの温かいコメントをいただいて、また頑張ろうという気持ちにさせてもらった。Instagramのファンとの関わりや応援してくれている人達の存在を身近に感じる出来事でした」(植草選手)
「Instagramを通してカヌーの魅力や、トレーニングで滞在しているカヌーの本場であるスロバキアの魅力を発信しているのですが、実際に僕の投稿から魅力を感じてもらえて、それまで観客がほとんどいなかった国内の大会にたくさんのお客さんが来てくれたり、なんとスロバキアまで応援に来てくれたりする方も現れました。Instagramならではの人との近さみたいなものを感じさせてもらいました」(羽根田選手)
また、両選手ともInstagramがビジュアルに特化したプラットフォームになっている点を評価しており、練習風景を届けるのに動画を使ったり、インスタ映えを意識したりと、こだわりを語ってくれたほか、企業のPRをするときには、「さり気なく商品がアピールできるような見せ方」(植草選手)、「あからさまに広告だと思われないよう、その会社の信念や姿勢が汲み取れるような内容」(羽根田選手)と様々なことを意識していると話した。
アスリートとコラボする2つのメリット
電通デジタルの小林氏は、マーケティング活動において様々なインフルエンサーがいる中で、アスリートを起用するメリットは大きく分けて2つあると見解を語った。
・スポーツの世界では国民的ヒーローやヒロインが1日で生まれることがあるので、広告クリエイティブが新鮮なものを作りやすい
・アスリートが努力している姿や、より高い目標に向かっている姿勢が企業姿勢との親和性が高い
それに加え、Instagramが登場・普及したことでこれまでのアスリート活用から変化が出てきたという。
「テレビCMだと流行りのアスリートを起用していち早く企画、撮影したとしても、世の中に出るのは数ヵ月先になることが少なくなく、その間のアスリートの試合状況や、怪我などのトラブルによっては流せなくなるケースも出てきます。Instagramであれば、アスリートに常に接続することができるので、多少試合の結果が振るわなかったとしても応援する気持ちが離れてしまうことがない。スポンサーもファンと同じ目線でアスリートを応援すれば、新たなエンゲージメントが生まれてくると思います」(小林氏)
水谷氏も、「ブランドコンテンツ広告であれば、すぐに企業がプロモーションできる即時性を持っている」と、新たなスター候補を使う、ホットなスポーツ選手とコラボするメリットがInstagramだと創出できることを明らかにした。