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MarkeZine Day 2019 Autumn Kansai

スシロー&ストライプと考える、アフターデジタル時代の顧客体験【チャネルを超えた最高の接客とは?】

 人々の生活にデジタルが浸透したことで、企業は様々な場面で顧客と接点をもつことができるようになった。その一方、様々なチャネルを組み合わせて一貫した体験を届けるのは簡単なことではない。2019年11月26日のMarkeZine Day 2019 Autumn Kansaiの特別講演には、スシローグローバルホールディングス(以下、スシロー)の小河氏と、earth music&ecologyなどを展開するストライプインターナショナル(以下、ストライプ)の佐藤氏が登壇し、チャネルを超えた顧客体験の設計と具体的な取り組みについて議論した。

企業都合で考えない/まずは接客に集中できる環境を整える

MarkeZine編集部(以下、MZ):本セッションでは「チャネルを超えた最高の接客とは? アフターデジタル時代の顧客体験を考える」をテーマに、議論を進めていきます。早速ですが、佐藤さんは日頃どのようなことを考えながら顧客体験を設計されているのでしょうか。

(左)株式会社ストライプインターナショナル 執行役員 グローバルファッションEC本部 本部長 佐藤 満氏(右)株式会社スシローグローバルホールディングス 上席執行役員 情報システム・コミュニケーション企画推進管掌 小河 博嗣氏
(左)株式会社ストライプインターナショナル 執行役員
グローバルファッションEC本部 本部長 佐藤 満氏
(右)株式会社スシローグローバルホールディングス 上席執行役員
情報システム・コミュニケーション企画推進管掌 小河 博嗣氏

佐藤:企業目線で考えないということを、常々気をつけるようにしています。OMOという言葉が使われるようになってきましたが、これは過去に流行ったO2Oやマルチチャネルとは異なるものだと思います。オフライン・オンラインでお客様を送り合うという企業都合の考え方ではなく、お客様を中心に、オフラインでできること、オンラインでできることは何かを考えて、策を打つ。そうしなければ、価値ある体験を作るのは難しくなってきています。

MZ:なるほど。小河さんはいかがでしょうか。

小河:スシローはリアル店舗中心のビジネスですので、店舗での体験価値を上げていくことを最優先にしています。そこで重要なのが、働いているスタッフが良い商品・良い接客を提供することに集中できる環境を整えること。そのためにはリアル・デジタルを問わず、機械化やマニュアル化など必要な整備を行うようにしています。

 コミュニケーションに関しても、オンライン・オフラインというのは正直なところあまり意識していません。すべてを駆使してお客様とのコミュニケーションを図り、おもてなしを実現したいと考えています。

MZ:お客様との接点の作り方について、具体的なイメージがあれば教えていただけますか。

佐藤:お客様にどれだけブランドを好きになっていただけるかが重要だと思っていますが、何千種とあるアパレルブランドの場合、「○○の服でなければならない」と想起してもらうのは難しいものです。

 そのためブランドを知っていただく体験やコミュニケーションを用意するようにしています。たとえばearth music&ecologyでは、ブランドのフィロソフィー伝える動画を発信したり、ブランドの価値観を体験していただくための店舗を設けたりしています。

小河:スシローの特徴は、どちらかというとグループで来られる方が多いこと。顧客単価は1,000円台と、毎回のお食事が人生をかけた大きな買い物というわけではありません。

 ですので、グループで何か食べに行こうかという話になったときに、その中のどなたか1人でも「スシローでも行こか」「スシローでええんちゃう?」と言っていただけることが大事だと考えています。実際に足を運んでいただき、満足していただくことができれば、また次も「スシロー行こか」と考えていただけるはず。この軽いリズムをいかに作っていくかを意識しています

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/14 07:00 https://markezine.jp/article/detail/32523

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