高パフォーマンスを支えた、広告の自動配置とは?
――MMMの結果について、他に印象的だった点はありましたか。
村岡:FacebookとInstagramの貢献度は、2019年から広告の自動配置を始めていたことで更に高まっています。Instagram単体での運用よりも、FacebookとInstagramの自動配置を活用した方が約4倍も貢献度が高かったのです。
自動配置とは?
Facebook、Instagram、Audience Network、Messengerの設定で利用できるすべての配信面に広告が掲載される仕組み。機械学習によって、広告目的に応じてより効率の高い出稿面に配信が最適化される。詳しくはこちら
――なるほど。こちらを活用しようと考えた理由は?
村岡:私も最初は、Facebook広告では配信面ごとに属性のセグメントやターゲティングを細かく設定していました。また、FacebookとInstagramでは利用層も異なるので、分けて運用したほうが良いと思っていました。
ですが、Facebookさんから「自動配置を使うと、23億人分のデータを最大活用して配信される」「モノの消費傾向は、必ずしも属性だけで区切れるわけではない。行動や態度が変わりそうな対象の共通項は機械学習が見つけてくれる」という説明を受け、まさにそうだなと納得しまして。思い切ってアルゴリズムに任せてみたところ、本当にその通りだったというわけでした。
きちんとデータを見ようとする人ほど、アルゴリズムに任せることを恐れるでしょうし、踏み込みにくいところです。しかし考えてみれば、ベースにしているデータ量が私たちとは比べものにならないほど多いので、思い切って走らせてみて、良いほうを採用すればいいと思います。
メディア掛け合わせの最適解を、さらに追求したい
――MMMの実施を踏まえて、課題として見えてきたことや、今後のお取り組みについて教えてください。
村岡:今回は「ネスカフェ アンバサダー」でMMMを行いましたが、今後は他のブランドでも実施していく予定です。その際には、店舗の売上にどのように貢献しているのかについても、分析したいと考えています。
この時代、単一のメディアだけに投資するということは、ほとんどないと思います。私たち広告主側が一番期待しているのは、複数のメディアを掛け合わせることによって、1+1が3にも4にもなってくれること。最適な組み合わせとは何かを、より詳しく把握したいのです。
Facebookさんは自社で提供している計測ツールを使いつつ、その他の媒体と横の比較ができるような形の調査にも取り組もうとされていますよね。こうした動きが、他のパブリッシャーさんにも広がっていくと良いと思います。
――適正なメディアミックスのためには、欠かせない視点ですね。
村岡:はい。さらに、それぞれの商材やメディアでは、どの時間帯やモーメントに訴求するのがもっとも効果が高いのか、ということも、より精緻に見ていきたいと思っています。広告を出すのは、朝、家に居る時間が良いのか、それとも移動中が良いのか……。きりがないかもしれませんが、このような細かい点まで追求し、効率の良い配信ができるようになると、広告に対する需要もより高まるのではないでしょうか。
――本日はありがとうございました。
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