自分のスキルを最大限活かせる働き方を選ぶ
――リモートワークを選択するなど、働き方も柔軟ですね。
子育てと両立できる働き方は、キャリア選択時の優先事項となりました。HubSpotに入社するときも、ワーキングペアレンツへどんなサポートがあるのか? を、納得のいくまで上長と話し合っています。マーケティングチームのディレクターがスウェーデンから働くシングルマザーなのですが、彼女の「せっかく働くなら、楽しく」という価値観には、とても勇気づけられています。ただし、一方的に「サポートしてほしい」のリクエストだけでは、働きやすい環境は作れないと考えています。良い環境に対して、見合うだけの対価を返すためにも、仕事に関して会社が私に求めること、私が会社に貢献できることも、しっかりと確認し合っています。
たとえばPRは、企業からの発信が多ければ良いとは限りません。メディアにとって取り上げる価値のある情報が発信できているか。また、その情報を必要とする市場が形成できているか? などの視点が必要です。そのためには、SEOが考えられたウェブサイトの構築や、外資であれば正しくローカライズされたコンテンツの用意など、土台作りから始める必要があり、長期のプロジェクトになります。PRを採用したからといって、すぐにメディアリレーションが拡大し、掲載記事が増えるわけではないのです。HubSpotに対しても、PRに関する期待値のすりあわせを何度も行い、私はきちんと組織に貢献できると納得して入社しました。「スキルがあるからやれます」ではなく、お互いの求めることをオープンにして話し合うこと。これが、自分のスキルやパフォーマンスを最大化して働くために大切なことだと思います。

チームで働く大切さを実感
――キャリアを振り返ってみて、ターニングポイントとなった出来事はありますか。
freee時代に、チームで仕事をする大切さを実感した出来事がありました。その頃の私は、「自分一人で頑張らなくてはいけない」という強いマインドセットがあったのです。それに気づいた上司から「次の成長のためにも、まわりの人を巻き込んで共感を得ながら、チームで仕事をするスキルを作っていこう」とフィードバックをいただきました。それから、自分をオープンにするコミュニケーションを意識するようになりましたね。
たとえば、よく「相談するときには、自分の案も持っておこう」と言われますが、私はその意識が強すぎて、ほとんど答えを決めた状態で相談していたんです。そうすると、相談された相手にとっては、議論やフィードバックができる余地がありませんよね。それを改めて、自分の考えを伝えつつ、「このポイントで悩んでいるので、アドバイスをお願いしたい」と悩みを打ち明けられるようになりました。また当たり前のことですが、「チームの誰かが成功したら祝う、喜ぶ」、「お世話になった方に、感謝を言葉にして伝える」といったことにも取り組みました。小さなことですが、続けていくうちにベースの人間関係が良くなり、気軽に相談をし合うといった間柄が生まれ、人とつながれるようになったのです。
コミュニケーションの変化が大きく形になって表れたのが、freeeでのインサイドセールスの採用イベントの企画です。当時、40〜50人規模の採用イベントは、会社としても初めての試みでしたが、代表の佐々木大輔さんや営業のマネージャーにも参加していただき、とても盛り上がりました。さらに、それから採用にもつながり、チーム全体が「イベントをやって良かったね」と喜び合える結果を迎えられたのです。フィードバックをいただいてから、「自分は自己中なのだな」と落ち込んでいましたが、自分をオープンにすればチームは助けてくれる。そして、まわりを巻き込んで一緒に動くことも、私はできるんだと気づきました。仕事をしていて、あんなに感動したのは初めてでしたね。
嬉しいことに、HubSpotでも一緒に働くメンバーから「共感力がある」とフィードバックをいただいています。独りよがりだった頃の私だったら、絶対に言われない言葉だと思います。freeeでの日々は、私の土台になっていると感じます。その経験をHubSpotという新しい環境で活かし、認められたことは自信になりました。
