SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

イベントレポート

現役社員が語る、P&Gのマーケティングが強い理由

マーケターとして勝ち筋を立てる方法とは?

 音部氏は、次に「マーケターとしての勝ち筋は何か」という質問をした。

 これに対し、瀬戸氏は「マーケター自身が担当するブランド・事業がどうあるべきかを描けていることが重要」とした。マーケターは消費者とブランドについて一番理解している存在であるべきで、その上で、パンパースがプレミアム市場の拡大をビジョンに掲げて邁進したように、今後の未来像を見据えたマーケティングプランの設計ができなければならないのだ。

 また、瀬戸氏はP&Gが大事にしている言葉「Think what needs to be true」について紹介した。

 「できない理由ではなく、どのリソースがあればできるのかを考え、そのリソースを獲得するための提案を、データを持って行う必要があります。それを表す言葉が、Think what needs to be trueです」(瀬戸氏)

 音部氏はこの「Think what needs to be true」について、自身の解釈も含めてその重要性を解説した。

 「たとえば、10億円の売上を上げたいときに、100万人が1,000円買うのか、10万人が1万円買うのかを解釈する。それを達成するためにどの資源が足りないかをマネジメント層に提案しに行け、あるいはその責任があるというのが、Think what needs to be trueの意味するところです」(音部氏)

消費者に必要とされる、データテクノロジーの活用を

 最後に、P&Gの今後のデータやテクノロジー活用における展望について両氏から語られた。

 瀬戸氏は、P&Gがアメリカで提供しているLumiと呼ばれる紙オムツとセンサー、アプリ、カメラが連携するシステムを紹介。これも「Consumer is Boss」を念頭に置き、消費者が必要としているデータテクノロジーを積極的に取り入れたサービスで、今後もこういった取り組みを積極的に行いたいという。

 岡田氏は、カスタマージャーニーの全体像をデータで可視化していきたいとした。そのために、各媒体の効果を検証し、投資効果を最大化していく取り組みを進めているという。

 そして、音部氏はまとめとして以下の言葉を残し、セッションを締めくくった。

 「デジタルの本質は、消費者の観測可能性を高め、理解を深めることであり、P&Gの取り組みはその好例の1つだと思います。同時に、デジタル化にはデータドリブンでビジネスをしていることが重要です。過去の実績のレビューをもとに意志決定ができる体制を作ることができれば、デジタルトランスフォーメーションも進むのではないでしょうか」(音部氏)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/01/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32685

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング