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定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

「価値ある事実」が人を動かしブランドの価値も高める

 2019年5月、ADKクリエイティブ・ワンから新たに立ち上がったクリエイティブ・ブティック「FACT」が始動した。ブティックのCEO兼ECD(エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)を務めるのが、三寺雅人氏。2009年にカンヌライオンズのプロモーション部門で日本初となるグランプリを受賞したのをはじめ、多数の広告賞を受賞するなど、トップクリエイターとして一線で活躍している。同氏が大事にしているのは、「事実発想」のクリエイティブだと言うが、それはどうやって生まれているのだろうか。

電子版(誌面)はこちらから閲覧できます。

※本記事は、2020年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』49号に掲載したものです。

きっかけは夕張市の復興支援事実から作るクリエイティブ

株式会社FACT CEO
Executive Creative Director/City Activator 三寺雅人氏

読売広告社でCMプランナーとしてキャリアをスタート。2003年ビーコンコミュニケーションズへ転職。2009年「夕張夫妻プロジェクト」でカンヌライオンズのプロモーション部門で日本初となるグランプリを受賞。その後同社史上最年少(36歳)でECDに着任。同年クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリストに選出。2014年ジオメトリー・グローバル・ジャパンの立ち上げに参画、クリエイティブをリードし組織とビジネスを拡大。2018年ADKに移籍し、令和とともにFACTを立ち上げる。国内外の広告賞、カンヌなどの国際広告賞審査員も務める。趣味は町興し。

――FACTでは、事実発想を武器にコミュニケーション設計を行っているとのことですが、事実発想とは、どういったアイデア発想法なのでしょうか。

 FACTは2019年5月7日に生まれたクリエイティブ・ブティックです。社名ロゴのFが斜線になっているのですが、これには「FACT」と「ACT」の意味が込められています。いろいろな情報が氾濫していてコミュニケーションが煩雑になり、かつ広告から人が逃げていく現状もある中でメッセージを伝播させるには「事実」がすごく大事だと思っていて、それこそが「人を動かす」ことにつながると考えているんです。

 そう考えるきっかけになったのが、2007年に起こった北海道夕張市の財政破綻。エネルギー変革によって石炭産業が縮小し、観光重視に転換を図ったところ353億円の負債を抱えて財政破綻に陥った。そのとき僕は別会社にいて東京でそのニュースを見ていたのですが、クリエイティブのアイデアによって夕張の人たちの自活の一歩を生み出したいと、復興支援に乗り出しました。

 まず市長に企画を自主提案して、「夕張夫妻」という“負債”と“夫妻”をかけたキャラクターを作りました。そしてこのキャラクターのグッズ展開を行ったり、夕張市役所内に夫婦円満課を新設して夫婦円満証なるものを発行したりと、1つの観光スキームを作り上げました。

 「負の負債を、愛の夫妻にする」というプロモーションだったのですが、これはある発見によって生まれたものでした。

 実は夕張市は日本で3番目に人口の少ない市で、若者も少なく人口の多くが高齢者夫婦。だからこそ離婚件数が少ないだろうと考えていたところ、実際に日本一離婚件数の少ない市であることがわかり、離婚が少ない=夫婦円満ということで、「日本一夫婦円満の街」としてアピールできるようになった。

 これこそまさに「隠れた事実」で、市民にこの話を伝えると、一見自虐的なアプローチに思える企画でも、みんなが聞く耳を持って自分ごと化してくれたんです。

 この活動を2007年から2年間やったところ、2009年のカンヌライオンズのプロモーション部門でグランプリを獲得しました。ここが僕にとってのターニングポイントとなって、以降人を動かすときには、人が気づいていない事実や、動く価値のある事実を見つけるようにと決めてやってきました。

 これが事実発想の考え方で、これを武器にFACTでは大きく3つの領域で人を動かすクリエイティブを提供しています。

 1つ目は、夕張の事例のような「Local&Cultural Promotion」。リバイタリゼ―ション(復興・再生)みたいなものは僕の武器ですし、地域は価値ある事実の宝庫だと思っています。

 2つ目は、「Social Problem Solution」。社会問題の根底にある事実から解決の糸口を見つけ、企業のCSVやSDGs活動へつなげていきます。

 3つ目は、「Brand Value Communication」で、企業やブランドのクリエイティブを作るような仕事を指します。そのブランドだから言えること、広めたくなる価値があるかにこだわり、クリエイティブパートナーとしてブランド育成に寄り添っていこうとしています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/24 15:30 https://markezine.jp/article/detail/32779

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