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守・破・離でヒットを理解する/戦略の引き出しを増やす「マーケターの筋トレ」とは?【お薦めの書籍】


 マーケティングに関する本を読んだ時やセミナーに参加した時、「実務にどう活かせばよいのかわからない」と感じたことはないでしょうか。今回はこうした悩みに応える「マーケターの筋トレ」を解説した1冊をご紹介します。

マーケター2,000人以上が取り組む学習プログラム

 今回紹介する書籍は、『マーケティング思考力トレーニング』。著者の黒澤友貴氏は、企業向けにブランディングの支援を行うブランディングテクノロジーの役員を務め、また同時に、2,000人のマーケターが集まる学習コミュニティ「マーケティングトレース」を主宰する人物です。

『マーケティング思考力トレーニング』1,800円(税抜)黒澤友貴(著)フォレスト出版

『マーケティング思考力トレーニング』1,800円(税抜)
黒澤友貴(著)フォレスト出版

 本書では、そのコミュニティで作られてきたマーケター向けの学習プログラムが解説されています。成長を求める多くのマーケターが自ら実践し、書籍化に至った学習プログラム「マーケティングトレース」とは一体どんなものなのでしょうか。

すべては模倣から始まる

 そもそも「マーケティングトレース」は黒澤氏の造語で、「マーケティング」と「トレース(なぞる)」を組み合わせたものです。黒澤氏はここで使われているトレースに、「模倣する」という意味を込めています。

 この学習法はその名の通り、成功している商品・サービスのマーケティング戦略を想像し、トレースすることでマーケティングに必要な思考力を鍛えるというものです。しかし、なぜ模倣することが、マーケティングのトレーニングに役立つのでしょうか。

 黒澤氏はその理由を、マーケティング以外の領域における学習方法・トレーニングを例にして語っています。その一つが、日本の伝統芸能において長らく大切にされてきた「守・破・離」です。「守」はお手本や基本を忠実に守ること、「破」はお手本に自分なりの工夫を加えること、「離」はまったく新しい自分独自のものを考えることを意味しています。

 黒澤氏は、まったく新しいアイデアもまずは模倣から始まるということ、そしてそれはビジネスの世界、マーケティングにおいても共通すると述べているのです。

 一方で黒澤氏は、ただ他の企業が広告を出稿している媒体に同じように出稿しようとするのは、良い模倣ではないと語っています。ではマーケティングトレースにおいて行う模倣とはどのようなものなのでしょうか。

戦略の「裏側」も模倣すべき

 黒澤氏がマーケティングトレースを通じてマーケターが理解すべきだと主張しているのは、マーケティング戦略の表面的な部分だけではなく、企業理念やビジネスモデル、組織文化といった戦略の裏側にある仕組み、価値観です。これら全体を観察、分析することで、マーケティング戦略を根底から模倣する力が磨かれ、ひいては成功パターンを自らに蓄積し、実務に活かすことができると述べています。

 マーケティングトレースは、この模倣を通じたトレーニングを多くのマーケターが実践できるよう、検討すべき要件や順序、使うべきフレームワークを示し、体系化したものです。

 本書では、読者が実践しやすい詳細なステップの解説、初級者から上級者まで取り組めるように難易度別のトレーニングを用意しています。また「BAKE」「Bリーグ」「コメダ珈琲店」「ワークマン」「グリコ」「キリンビール」におけるマーケティング戦略を実際に分析し、ヒットの仕組みを解説しています。

 実際に取り組む仕事を「実戦」とすると、マーケティングトレースは「マーケターの筋トレ」であると黒澤氏は述べています。世の中にマーケティングを学ぶための教材やイベントが多い一方で、「情報をインプットしただけで終わってしまい、仕事で活用ができない」と悩んでいる方も多いのではないかと思います。本書を通じて「筋トレ」を始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/03/17 18:35 https://markezine.jp/article/detail/32954

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