事例でわかる、キャラクター活用がもたらす成果
最後に、キャラクターを活用したメディア展開における特長、その成果について、高倉氏が自社のオリジナルキャラを例に説明した。
高倉氏によると、キャラクターによるメディア展開の特長は、「SNSでの高いエンゲージメント」「動画広告における高い視聴率」「イベントの対応など、高い柔軟性があること」の3つが挙げられるという。「馴染みのキャラクターが、こんな言動をしている」というおもしろさがユーザーの心をつかみ、リツイートやいいねなどの行動を誘発すると考えられるそうだ。
たとえばディー・エル・イーが展開するSNS漫画「耐え子の日常」アカウントでは、企業からの依頼を受け、キャラクターマーケティングの一環としてPR投稿漫画を掲載している。
「耐え子の日常」アカウントでPR投稿をTwitterでした際には、当時7万フォロワーだったものの、4,000近いリツイートを獲得し、最終的に120万インプレッションを達成したという。Instagramのアカウントでも、投稿に対するリツイートこそないが、27万いいねを獲得し、38万フォロワーに対して200万インプレッションの効果があったそうだ。
そのほか、SNS広告のクリック誘導広告、エンゲージ獲得型広告の成果を単価ベースで測定したところ、一般的な広告に比べ、「耐え子」のキャラクターを使った広告では100倍の成果となったという。キャラクターというのは、それだけ使い勝手が良く、高い効果が見込めるのだ。
また、島根県松江市の観光大使を務める鷹の爪団の吉田くんによると、自身がPRした松江市のYouTube TrueViewインストリーム広告の視聴完了率も、非常に高かったという。
「通常30秒広告の視聴完了率は平均して15〜16%ですが、我々の経験則だと、キャラクターを使ったアニメ広告は30%を超えることがほとんどで、20%を切ることはほとんどありません。今回の松江市の広告は、3分40秒という長尺ながら完了視聴率は18%、30秒広告では36%でした」(吉田くん)
キャラクターなので、イベントやチラシ広告にも露出しやすい。日清食品ではディー・エル・イーと契約し、全国のスーパーマーケットに対して、日清食品が使用料を払うので販促やチラシに鷹の爪団のキャラクターの自由な使用を許可。その代わりに「店内における自社製品の販売棚設置と、商品広告を必ず入れる」というキャンペーンを展開。また外務省では、吉田くんが実際に外務省のイベントに出席し、表敬訪問をする様子がTwitter上で拡散され、話題となった。
「2次元のキャラが、実際に政治家やユーザーと会い、コミュニケーションしている様子だけでおもしろいコンテンツになり、SNSで話題となるんです」(吉田くん)
広告宣伝をエンターテインメントの1つに
キャラクターマーケティングについて、ディー・エル・イーは今後どのような展開を考えているのか。
1つには、SNSを始め、地上波テレビやラジオ、書籍、雑誌など多方面で活躍するキャラクターを「ソーシャルキャラクター」と定義し、企業のニーズに応えるためにその拡充をしていく活動がある。現在、「正義のミカたん」や「僕の彼女、ヤバにゃん」、パソコンの周辺機器を擬人化した「周辺男子」などのキャラクターを制作し、TwitterやInstagramで着々とファンを増やしている。
もう1つは、「秘密結社 鷹の爪」のプロデューサーである同社のFLOGMAN氏が登場しこのように語った。
「映像だけでなく、スマートスピーカーなどの音声デバイスを活用し、音声ベースのスマートデバイスによるコンテンツにも挑戦していきたいです」(FLOGMAN氏)
高倉氏も「もともと当社はエンターテインメントを提供しており、広告宣伝もその表現の1つだと思っているので、様々な表現でクライアント企業の期待に応えたい」と語り、講演を終えた。
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