著名キャラを使う時の注意点とは?
続いて2名は、キャラクターをどのように活用するべきかについて解説した。キャラクターは、一般的に有名な「著名キャラ」、そして自社で独自に作った「オリジナルキャラ」の2種類で活用のポイントが異なるという。
まず著名キャラの場合、一番わかりやすいのが「パロディ」だが、注意点もある。あまりに有名なキャラクターになると、原作者のほか、版権を持つプロダクションなどさまざまなステークホルダーが絡み合うことになるので、「下手をすると、人間の著名タレント並みの制約があるケースもある」ということだ。
ちなみにディー・エル・イーの場合、ある青年誌漫画の著名キャラを活用したパロディを展開していたところ、原作者がそのパロディを気に入り、版権を持つ出版社の意向に忖度することなく、ユニークなプロモーションが展開できたという。「いい企画を出して、原作者からお墨付きをもらうのも有効」と高倉氏は説明する。
オリジナルキャラ活用の鍵は「継続したコンテンツ」と「環境作り」
オリジナルキャラの場合、活用のポイントは2つ。1つは「コンテンツを産み出し続けること」、もう1つは「当事者が積極的に活用しやすい環境を作ること」だ。
特に2つ目に関しては、様々な工夫が考えられる。たとえば、権利関係を明確にし、活用に関するガイドラインを作る、ポーズ集を準備する、キャラのイメージを把握するためのインターPR動画を作成するなどだ。
また、イラストだけでなく、ぬいぐるみなどのグッズを作れば「外でぬいぐるみの写真を撮っただけで、SNSのコンテンツになる」と高倉氏は語っており、企業の準備次第で活用の幅は広がることがわかる。こうした取り組みが、コンテンツを「産み出し続けること」につながるわけだ。
これらのポイントを押さえてコンテンツを発信し続ければ、様々な人にリーチすることができる。またオリジナルキャラの場合、契約で使用期間がある著名キャラと異なり、いつまでも使い続けられるので、SNSやWeb広告、動画、テレビCMなどクロスメディア展開もしやすい。
ディー・エル・イーが実際に関わったケースだと、みずほ銀行の「あおまる」くんを使ったデジタルキャンペーンがある。Web漫画やクイズ、広告など多彩なシーンで「あおまる」くんを活用し、消費者に「親しみやすく、寄り添う銀行」と印象付けた。