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SNS人格図鑑

新型コロナ騒動を受けて、企業アカウントに求められる「コール&レスポンス型」SNS運用とは?

 SNS上に存在する特徴的な人物クラスタを分析し、その実態に迫る本連載。今回は、年初から続くコロナウイルス感染拡大の影響を受け「今、企業アカウントにはどのような振る舞いが求められているのか」を考えました。そのヒントは、近年インフルエンサーを中心に増えている「コール&レスポンス型」SNS運用にありました。

「SNS人格図鑑」過去記事はこちらから!
第1回:「もう年齢は隠さない!?」コスメ垢のオープン過ぎる実態
第2回:SNSとリアルを自由に謳歌する「キラキラシニア垢」とは!?
第3回:リアルもSNSもマルチタスク!複数垢を使い分ける「ハイブリッド大学生」のインサイト

鉄板モーメント「エイプリルフール」も抑制される有事の事態

 年初以降、深刻化が続く新型コロナウイルスによる感染被害。全国的に広がる被害状況を受けて、企業も生活者も、非日常な生活を続けることを余儀なくされていることかと思います。そして、その影響は目に見える形でソーシャルメディア上にも現れています。

 たとえば「エイプリルフール」。毎年企業アカウントにより入念に準備された嘘がSNSを盛り上げていましたが、今年は例年とは様相が異なりました。下図は、「エイプリルフール」の話題量をソーシャルリスニングし、その結果を昨年時と比較したものです。

期間:2019/3/25〜2020/4/05/キーワード:“エイプリルフール” or “#エイプリルフール/ソース:Twitter、Blog、Webニュース等/ツール:Brandwatch 約15%のサンプルデータを抽出
期間:2019.3.25〜2020.4.05
キーワード:「エイプリルフール」or 「#エイプリルフール」
ソース:Twitter、Blog、Webニュース等
ツール:Brandwatch 約15%のサンプルデータを抽出

 2020年はエイプリルフール当日の話題総数は前年を下回った一方で、前日の話題総数は2.5倍以上も多い結果となりました。この結果を分析すると、今年のエイプリルフール前日に、著名人や企業アカウントを中心に以下のような発信がなされ、多くの拡散を生んでいたことにたどり着きます。


 リアルタイムに状況が変化する日常で、エイプリルフール当日にコロナウイルス関連の嘘をつくことを止めるよう呼び掛ける声が拡がったのです。結果、コロナウイルス関連の嘘のみならず、エイプリルフール当日の嘘全般が抑制されたと考えられます。

 このように、SNSでの盛り上がりの傾向も例年とはまったく異なる中、企業やインフルエンサーのSNS上での振る舞いも異なるものが求められていると考えられます。果たして、この有事の事態に企業は何を発信すれば良いのでしょうか?

有事の事態に求められる「コール&レスポンス型」SNS運用

 このような有事の事態における公式アカウントの運用手法として、インフルエンサーの方々が日常的に行っている「コール&レスポンス型」SNS運用にヒントがある、と筆者は考えます。

 コール&レスポンス型SNS運用とは、SNS上のアンケート機能などを利用して、ファンから投稿アイデアを募る手法です。元々コール&レスポンスという言葉は、音楽で演者同士、あるいは演者と観客の間で行われる掛け合いを指しますが、この掛け合いはSNSでのコミュニケーションでも行われています。たとえばモデルやタレントが、自身の仕事の合間に「私について質問ある?」という問いかけをInstagramのアンケート機能を通じて発信すると、彼女をフォローする多くのファンが「いつも使っているコスメのラインアップを教えて」「今日のワンピースはどこのブランドのもの?」といった質問をします。その質問の回答をInstagramのストーリーズ上で発信することによって、自身のファッションやコスメを通じてファンのロイヤリティを向上することができます。

 また、コール&レスポンス型SNS運用は既存ファンのみならず、これまでインフルエンサーに興味がなかった人のアテンション獲得にも有用な場合があります。今回のコロナウイルス騒動を受けての取り組みの例ですが、世界中のミュージシャンがSNS上での即興演奏を行った「#TogetherAtHome」は多くの人々に届く取り組みでした。世界的なロックバンドColdplayのChris Martin氏は、#TogetherAtHomeをつけてInstagramで即興ライブを開始し、ユーザーからの楽曲リクエストに応えながら約1時間もの演奏を行いました。


 このように、コール&レスポンス型SNS運用は、その取り組みに意外性が取り入れられると、大きな拡散を生むポテンシャルも備えています。ただ一方で、このようなリアルタイム性の高いSNS運用を行うことができるのはインフルエンサーなど個人に権限のあるSNSアカウントのみではないか? という懸念を持つ方も多いかも知れません。そこで、企業アカウントでこのコール&レスポンス型のSNS運用を巧みに継続している事例を、運用担当者の方のインタビューも交えてご紹介します。

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この記事の著者

金清 雄太(カネキヨ ユウタ)

65dB TOKYO
Head of 65dB TOKYO

2015年、TBWA\HAKUHODOに入社。統合的なデジタル施策の企画〜運用の経験を生かし、得意先のクリエイティブ、プロモーション立案のプロセスにデータドリブン思考を注入している。なかでも、ソーシャルモニタリングを活用した生活者インサイトを抽出する手法...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/04/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33209

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