カスタマーマーケティングの本質とは?
前回の記事「サブスク時代に重要な「カスタマーマーケティング」とは?カスタマーサクセス×マーケティングの可能性」では、カスタマーサクセスをさらにスケールさせ、売上拡大につなげていくために、なぜ「カスタマーマーケティング」が必要なのかという点をお伝えしました。
カスタマーマーケティングは単なる「既存顧客に向けたマーケティング」ではなく、カスタマー“サクセス”マーケティングであると考えています。そして、カスタマーサクセスが浸透しつつある企業においては、既存のマーケティング機能そのものを「カスタマーサクセス」オリエンティッドなものにアップデートすることが必要になってきます。
今回は、改めてカスタマーマーケティングがどのような面で効果を発揮するのか、そして実践するためにどのようなアプローチを行っていけば良いのかについて見ていきたいと思います。
LTV向上だけでなく、デマンドジェネレーションにも効く
マーケティング施策を考える際、よく使われるファネルという構造があります。
カスタマーマーケティングが直接的に効くのは、このファネルの下の部分である継続利用やアップセル、クロスセルによる既存顧客のLTV向上(図の1部分)ですが、間接的・中長期的には、紹介や発信が潜在顧客に波及することにより、上の部分、つまりデマンドジェネレーション(潜在顧客の発掘・育成)の効果も見込むことができると考えます(図の2部分)。
(A)継続利用、アップセル、クロスセル
既存顧客のサクセスを支援する施策やプログラムにより、リニューアルや取引の拡大
例:イベント、メールやウェビナー、キャンペーンなど
(B)紹介によるデマンド喚起
プロダクトの活用が成功した満足度の高い顧客が、他の潜在顧客にプロダクトを紹介
例:導入事例やユーザーコミュニティ/顧客経由での紹介
(C)発信による認知拡大
熱心なファンとなってくれた顧客が、アドボケイト(提唱者)としてプロダクトの良さをベンダーの代わりに発信
例:セミナーやイベント登壇、勉強会やユーザー会の主催、SNSやブログでの発信など