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カスタマーマーケティング、その本質と実践

サブスク時代に重要な「カスタマーマーケティング」とは?カスタマーサクセス×マーケティングの可能性

 BtoB SaaS企業にとって、既存顧客と良好な関係を作り、LTVを向上させる「カスタマーサクセス」は重要な戦略の一つだ。そして今、このカスタマーサクセスをスケールさせ、売上拡大につなげる「カスタマーマーケティング」という新たな考え方に注目が集まっている。本連載では、「カスタマーマーケティング meetup」を主宰する長橋明子氏、Sansanの山田ひさのり氏、SmartHRの岡本剛典氏が毎回テーマを変え、「カスタマーマーケティング」の可能性、本質について解説していく。第1回となる今回は「企業がカスタマーマーケティングに注目すべき理由」について、長橋氏が解説する。

サブスク・ビジネスの台頭で高まる「カスタマーサクセス」の重要性

 こんにちは。業務でカスタマーマーケティングを実践する傍ら、個人の立場で「カスタマーマーケティングmeetup」(通称#cmkt)というコミュニティを主宰しています。

 サブスクリプション・ビジネスの拡大と共に、日本でもここ数年で注目を集めるようになった「カスタマーサクセス」。消費者のみならず企業の行動が「所有」から「利用」へと変化する中で、日本でもサブスクリプション・ビジネスを中心に、顧客が自社サービスを活用して「成功」するよう、購入後の顧客を支援することでLTV向上を目指す「カスタマーサクセス」が浸透しつつあります

 ともすると、「営業」や「マーケティング」「カスタマーサポート」などの職種・組織に一つ新しい役割が増えただけ、という形になりかねない「カスタマーサクセス」という役割ですが、本来の目的は「カスタマーのサクセス」という一つのゴールに向かって、全社が協同して推進していくことにあります。

 中でも、カスタマーサクセス部門とマーケティング部門は最も連携するべき二つの部門と言えるでしょう。

 この記事では、カスタマーサクセスが重要視されるサブスクリプション・ビジネスにおいて必要なマーケティングの要素である「カスタマーマーケティング」について取り上げます。

日本では「ハイタッチ型のカスタマーサクセス」が主流に

 「青本」と呼ばれ、カスタマーサクセスの教科書として定着している『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』が米国で出版されたのが2016年。2018年6月に日本語訳が出版されたことで、「カスタマーサクセス」という言葉が一般にも浸透し始めた印象があります。2019年7月には『カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」』が出版され、日本初のカスタマーサクセスをメインのテーマとしたカンファレンス「Success4」が開催されるなど、日本でも急激な関心を集めつつあります。Googleのトレンドキーワードでは、直近の3年間で「カスタマーサクセス」の検索数が3~4倍に伸びています。関心度の急激な高まりを示すものと言えるでしょう。

 日本では特に、従来の受け身中心のカスタマーサポートとは異なる位置付けとして、CSM(カスタマーサクセスマネージャー)と呼ばれる担当者が一人あたり数社〜数十社の顧客を担当し、顧客と伴走しながら顧客の成功を一緒に支援する「ハイタッチ型のカスタマーサクセス」が主流になりつつあります。サービスレベルが平均的に高く、「おもてなし」を重要視する日本企業にとってこの考え方は比較的受け入れやすく、企業向けのSaaSを提供する企業を中心に定着しつつあるという印象を私は持っています。

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この記事の著者

長橋 明子(ナガハシ アキコ)

オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社 シニア・マネージャー カスタマーマーケティング早稲田大学卒業後、NTTコミュニケーションズにて技術開発、経営企画、プロダクトマーケティング等に携わる。2016年よりワークスモバイルジャパンにてビジネスチャット「LINE WORKS」のマーケティングおよびカスタマー・エクスペリエンス&アドボカシーを経て、2019年7月に米系RPAベンダー オートメーション・エニウェアに参画。カス...

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