※本記事は、2020年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』53号に掲載したものです。
スマホの普及とインターネットアクセス手段の変化
かつて、インターネットへのアクセス手段はPCが主流であり、WebのコンテンツもPCでの閲覧を前提として作成されてきた。総務省の情報通信白書によれば、2010年から、インターネットアクセス手段におけるPCとスマートフォンの割合は逆転し、2018年時点では、インターネットへのアクセス手段としてスマートフォン(89.6%)がPC(77.2%)を上回っている(図表1)。
また、日本マーケティング・リサーチ協会(以下、JMRA)による、各社のインターネット調査パネルにおけるアンケート回答デバイスにおいても、近年、スマートフォンでのアンケート回答が主流になっている(図表2)。
年齢層別に見ると、特に若年層においてスマートフォン利用の割合が高いが、高年齢層についても、近年はスマートフォンの利用割合が高まっている。スマートフォンの急速な普及にともない、どの年齢層においても、インターネットへのアクセス手段としてスマートフォンが利用される時代になっている。
そのため、Webコンテンツやアプリを制作する際には、スマートフォンで閲覧されることを前提に設計していく必要がある。どのような画面設計にすべきかを具体的に検討する際には、スマートフォンの操作実態に関する基礎データは欠かせないが、こうしたデータが定量的に公開されている事例は少ない。
そこでインテージでは、「スマートフォンの操作」にフォーカスし、2019年11月にインターネット調査パネルを対象とした実態把握調査を実施した(図表3)。
この調査はWebアンケート回答時の操作に限定して聴取したものであるが、様々な操作実態が明らかになり、一般的なWeb利用時のスマートフォン操作にも当てはまる知見であると思われる。本稿では、その結果の一部を紹介するとともに、スマートフォンで利用しやすいコンテンツについて考察する。