マーケターの必須スキルは調整力
MZ:吉柳さんはマーケターキャリア協会(※)のメンターとしても活動されていますが、メンティーの方からはどのような相談を受け、それに対しどういったアドバイスをしていますか。
(※)マーケターキャリア協会とは:「マーケターの価値を明らかにする」というビジョンのもと、ビジネスに対するマーケティングの貢献度の調査、マーケターのキャリア構築支援などを行っている一般社団法人(詳細はこちら)。
吉柳:部下が数名いる女性の方に、会社の中での立ち回りについて相談されたことがあります。その際には、マネジメントのノウハウや逆に経営者サイドのマネジメントを中心にアドバイスをしました。

たとえば、半年後「こういった会社・事業にしたい」といった目標を決めて、逆算でto doを考える。また、部下の話を聞いて、どういったリーダーシップを取るべきかについて一緒に考えてみるといったことを、メンタリングを通じて行いました。
マーケティングコミュニケーションは社内外の調整が非常に多く発生します。そのために、全員が調整力を持ってワンボードでコミュニケーションを作っていけることが重要です。
統合できるマーケターが求められるように
MZ:吉柳さんは、今後のキャリアで成し遂げたいことはありますか。
吉柳:ベクトルグループは先日「PRWeek Top Consultancies 2020: Asia-Pacific」ランキングにて1位となることができました(※参考「PRWeek Top Consultancies 2020: Asia-Pacific」)。今後もアジアパシフィックのPR事業部門でナンバーワンを維持できるよう、引き続き頑張りたいです。
また、新型コロナウイルスの影響によって変化のスピードがより加速し、求められるマーケティングのソリューションが変わってきていると思います。我々も新たなサービスをどんどん提供できる企業になれたらと思います。
MZ:では、最後にキャリアに悩まれるマーケターの皆様にアドバイスをお願いいたします。
吉柳:私は一般的なキャリアを歩んでいないので参考にならないかもしれませんが、今後のマーケターには事業を創ること、成長させることとマーケティングを統合する能力が求められると思っています。そして、そのスキルはたとえば創業期のベンチャー企業に入ると身に付けるチャンスが得られる可能性が高い。顧客体験を自身で設計するといったこともできるはずです。
そして、どのような企業に属しても突き詰めることが重要だと思います。突き詰めた上で、転職や独立など次に行くのが良いと思います。突き詰めるようにすると「この手法で良いのか」と既存の手法を疑問視するようになって、新しい視点が生まれ自身のキャリアアップにつながると思います。
MZ:自分が会社をどうしたいかを考えながら、日々の仕事を突き詰めていくことが重要なのだと、非常に勉強になりました。吉柳さん、ありがとうございました。
