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クリックの先の世界へ「D2Cビジネス」の進化と変貌

【「D2Cビジネス」の進化と変貌】第1回:広告・マーケティング業界に起きている3つの大きな変化

企業(クライアント)の4つの変化

 最後に、企業(クライアント、広告主、事業会社)における4つの変化を解説したい。

・広告予算のデジタルシフト

・ECの強化

・デジタル時代の新たなマーケティングの登場

・ビジネスそのもののデジタルトランスフォーメーション(DX)

広告予算のデジタルシフト

 前にも述べたが、大手・中堅広告主においては、テレビ広告の約半分くらいがインターネット広告に費やされていると思われる。大手の広告主では、知るところでは大体3割くらいがデジタルのメディアやソリューションに費やされているところが多い(どこまで含めるかが難しいが)。

 また、多くのブランドを有している企業は、かつてのように、すべてのブランドでマス広告を出稿するまでの予算がないところも多いだろう。そういったブランドでは、ソーシャルメディアやコンテンツマーケティングなどデジタル中心の施策を行ったり、雑誌などと絡めたデジタル施策も多く行ったりしている。

 したがって、ラグジュアリーブランドやコスメティックブランドなどでは、企業として5~7割がデジタルというところも多い。

ECの強化

 ECの構築と活用はどの企業でも最優先課題となっており、さらにこのコロナが拍車をかけた形になっている。各社のEC化率(EC売上比率)はなぜか30%を当面の目標としているところが多い。現時点でのEC化率が数%~10%程度のところが多いのがその理由だと考えられるが、今後はこの目標はさらに高まるであろう。

デジタル時代の新たなマーケティングの登場

 かつては発信者である企業がコントロールしてきたブランドやコミュニケーションが、今日では生活者によって形成され、逆にコントロールされるようになってきている。しかもその「タッチポイント」の多くはデジタル上にある。

 デジタル時代の多くの生活者はブランドに対して、シームレスにつながる一連の体験を求めている。認知→興味(または興味→認知)→比較/検討→購入/所有→使用/体験→評価/情報発信→再購入/再利用のすべての過程(ファネル)における「顧客体験価値の向上」が、ビジネスの成長や長期的なブランド構築に不可欠な時代になってきた。

ビジネスそのもののデジタルトランスフォーメーション(DX)

 以上、見てきたようにデジタル化の進展で、オンラインを中心に、広告・マーケティングデータの取得が可能となり、様々な広告・マーケティング手法も登場してきた。これらはますます高度化、複雑化してさらに進化していくであろう。

 一方、企業そのものも、業務の効率化だけに留まらず、生活者の習慣の変化への対応や、プラットフォーマーからの脅威に備えて(もう来ているが)、そのデジタルトランスフォーメーション(DX)を自ら進めなくてはいけない。DXの準備がすでにできていた企業とそうでない企業において、その差はさらに開くであろう。

 第2回では、企業そのものがDX化、特にD2Cビジネスへ変化していった事例を中心に話を進めたい。

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この記事の著者

大山 俊哉(オオヤマ トシヤ)

 1984年に電通に入社。2007年にデジタルビジネス局に異動し局長就任、その後、ダイレクトマーケティング・ビジネス局長を歴任。2014年4月に執行役員就任。デジタルマーケティング、インターネットメディア、データソリューション、プロモーション領域の責任者としてグループ会社も含めて統括。2016年7月に電通デジタルを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/06/23 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33499

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