デジタル体験の満足度を上げるため、LINEでできること
「パーソナライズされたコミュニケーション」。つまり、顧客のデジタル体験の満足度を高めるため、LINEではどのようなことができるのか。
企業と消費者におけるLINEのコミュニケーションの基本は、企業が持つLINE公式アカウントと消費者がつながること、つまり「企業のLINE公式アカウントと、LINEユーザーが友だちになること」から始まる。
友だちになる動機には、企業が提供する無料のLINEスタンプやLINEポイントが欲しかった、ブランドや企業に興味関心を持っていたなど、複数のパターンが存在する。ロイヤルティが高いのは後者だが、前者のユーザーでもコミュニケーションを続けることで興味関心を抱くケースがある。つまり、いずれの場合も重要なのは、友だちになった後にブロックされないよう、継続したコミュニケーションを続けるための創意工夫にある。結果的に残ったユーザーが、将来のロイヤルカスタマーや見込み客である可能性は高い。
では、友だちに対してどのようなメッセージを送るべきなのか。
メッセージに反応するということは、配信された情報をタップして開く、すなわち「開封する」ことを意味する。ただ、LINEのメッセージは開封しなくても、通知時に2行分のテキストが表示されるため、内容の大半を知ることができる。
この2行分のテキストでユーザーに「見たい」と思わせることができれば、関係性は一歩前進したといえるわけだ。
「LINEのユーザー体験を向上させるためには、『友だち状態をキープすること』、同時に『メッセージの開封率を上げ、そのデータを蓄積して、次のコミュニケーションに生かすこと』がポイントであることがわかります」と永田氏。
高ロイヤルティユーザーとの出会いを仕組み化
そんなLINEの特性を生かして、効果を上げている企業の事例も紹介された。
一つは、ベネッセコーポレーションの事例だ。同社では、LINE公式アカウントでどんな人がメッセージを開封し、タップしたかというデータを蓄積している。今回、そのデータを活用し、メッセージに反応したユーザーの属性と近しい特徴を持ち、かつ友だちになっていないターゲット層に向けて友だち追加を促すLINE広告を配信した。その結果、通常のLINE広告と比べてCTRは150%となり、ブロック率も軽減されたという(詳しい記事はこちら)。
また、キリンビバレッジでは、LINE公式アカウントでつながっている友だちのうち、缶コーヒーブランド『FIRE』の愛飲者、もしくは同社の自販機『Tappiness(タピネス)』でFIREを購入したことがある人のデータを使い、それぞれの属性に近いLINEユーザーへ、FIREのキャンペーン告知を配信した。
「元々の愛飲者に近いユーザーに広告を配信したことで、CTRが最大165%を達成するなど大幅な改善が見られ、キャンペーン成功につながりました」(永田氏)

いずれの事例も、蓄積されたデータから、ロイヤルティの高いユーザーの特徴を明確にし、同じ傾向を持つ人にコミュニケーションのきっかけとして広告を配信している。
一朝一夕では難しい施策ではあるが、ロイヤルティの高いユーザーとコミュニケーションが取れる仕組みを作っておくことが、今後、新型コロナウイルスのような不測の事態が発生した際の予防策になるのかもしれない。
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岩崎 史絵(イワサキ シエ)
リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。
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