コロナ禍の世界をどう捉えるか?二人の見解
――ちなみにこのコロナ禍の状況は、スタートアップにとって追い風になると思いますか。
三浦:社会の変化が加速する大きなきっかけになると思います。厳しい業界も、コロナ禍だからこそ伸びている業界もありますが、世界全体がまるごとダメージを受けたというこの状況は、歴史的にまれに見る事態です。世界中のあらゆるプレイヤーが皆同じ状況に置かれているわけだから、理想とテクノロジーを掲げるスタートアップは、むしろ絶好の機会と考えたほうが良い。
北爪:まさに先日三浦くんとディスカッションしたばかりなんですが、コロナによって新しい規範として残るものと、残らないものとに分かれるんじゃないかと思っていて。
たとえば、外出自粛が呼びかけられた3~4月に「出前」の検索が驚くほど伸びましたが、緊急事態宣言が解除された5~6月も、検索数は落ちていないんです。生活者はUber Eatsや出前館のようなフードデリバリーの魅力を知って、その利便性を手放すことはきっともうない。
もちろんそれは、他の分野にも言えることです。したがって、何が「新しい規範」として残り続けるのか見極めることが必要でしょうね。
三浦:デジタルマーケティングもチャンスですよね。家にいる時間が長いからテレビやネットを見る時間が増えるし、不安が強いから検索する量も増える。そんな時、時代の空気を捉えることができたら、あるいは、本当に生活者のためになるプロダクトやサービスを生み出せるなら、スタートアップにとっても、ナショナルクライアントにとっても、大きなチャンスになると思います。