エスノグラフィから考える、Z世代デジタルデバイスの捉え方
調査を行ったのは、ゴールデンウィーク終盤の5月4日。
当日、ソラくんにはまず、起きたタイミングでdotメンバーに連絡してもらいます。連絡をもらったdotは、ソラくんにZoomのリンクを送信。Zoomをつないだ状態で、ソラくんの部屋全体が見渡せる位置にPCを置いてもらい、準備完了です。その後はdotメンバー2人が交代しながら、ソラくんが眠るまでの約一日(15時間以上)を観察し、Zoomで画面を録画。気になったことをメモしていきました。
エスノグラフィを行った日のソラくんの一日はイラストの通り。デジタルデバイスについて着目し、メモや後日インタビューから、いくつか仮説を立てました。今回は中でも興味深かった、以下の2つの仮説を紹介します。

【仮説】
(1)Z世代はInstagramの内容を覚えていないのでは?
(2)Z世代にとってInstagramのDMがLINEのようになっているのでは?
Z世代はInstagramの内容を覚えていない?
まず仮説1、Z世代はInstagramの内容を覚えていないのでは? について。
グラフにある通り、調査中、ソラくんは何度も繰り返しスマホを起動しています。また同時刻に調査チームが調べたところ、ソラくんがInstagramのストーリーズを投稿していたことがわかりました。この2つの結果から、かなり頻繁にInstagramをチェックしていると予想したのです。

では、ソラくんはInstagramで何を見ていたのか? 次の日にインタビューしたところ、なんと「Instagramを見た記憶はあるけれど、何を見ていたのか記憶に残っていない」とのこと! ソラくんの回答をdotメンバーで話し合ったところ、多くのメンバーにも同じような経験があることがわかりました。そこで、「Z世代はInstagramの内容を覚えていないのでは?」を第一の仮説とし、調査することにしました。
Z世代にとってInstagramのDMはLINEのようなもの?
続いて仮説2、Z世代にとってInstagramのDMがLINEのようになっているのでは? について。
ソラくんは朝起きて、すぐにスマホをチェックしていました。その点についてインタビューでは「未読無視をしたくないために、LINEをチェックしていた」とのこと。また「LINEを一通りチェックし、InstagramのDM(以下、DM)も同じようにチェックするまでがモーニングルーティーン」とも話してくれました。
これについて、dotメンバーで意見を交換。あらためて考えてみると、多くのメンバーにDMを利用した心当たりがありました。しかし多くの場合、LINEと使い分けており、すべての会話がDMでは完結していなかった、ということもわかったのです。
ソラくんのdotグラフィと調査メンバーの意見から、「DMは会話ツールになりつつあるのでは?」「でも一体どこまでがDMで、どこまでをLINEで話すのか?」「LINEとDMの違いはなんなのか?」という疑問が生まれました。そこで「Z世代におけるInstagramのDMの立ち位置」も調査することにしました。
この2つの仮説を調査するため、他のZ世代に以下3つの質問をぶつけてみることにしました。
Q1. 昨日のInstagram、覚えてる?
Q2. あなたにとってInstagramの役割は?
Q3. DMはどれくらい使う? LINEとはどう違う?