ニューノーマル時代、コンテンツマーケティングのトレンドはどう変化するのでしょうか? グローバルの潮流として、刈り取り型ではなく、顧客と関係性を維持&構築してビジネスゴールを達成していく「オーディエンスビルディング」という概念が注目されています。本テーマについて、世界的なコンテンツマーケティングを提唱する団体「Content Marketing Institute」のファウンダーであるJoe Pulizzi氏に、JADEの伊東周晃氏とFaber Companyの中山順司氏が迫りました。
コンテンツマーケティングの世界は第三ステージに突入
――全世界的に広がった新型コロナウイルスは、コンテンツマーケティングにどのような影響を及ぼしていると感じていますか?
Joe Pulizzi氏:私はコンテンツマーケティングの世界が「第三ステージ」に突入したと考えています。
第一ステージは2001年の米国同時多発テロ事件の翌年、2002年の不況期です。Google社が台頭し、SEOが取り沙汰され、ブログも活況になった時期でした。当時はまだコンテンツマーケティングとは呼ばれてはいませんでしたが、「Web上で発見してもらうにはユーザーの求めるコンテンツを発信すべき」という風潮は既にありました。SNSがブームになりだしたのもこの頃でしたね。
第二ステージはコンテンツマーケティングというフレーズが定着してきた2010年あたり。様々な企業が、どうやってTwitterで話題になったり、Facebookでどうコミュニティをつくればいいかと、躍起になっていたタイミングでもあります。
そして今が第三ステージです。新型コロナウイルスの影響で深刻な経済的ダメージを受ける中、マーケティング予算のリストラクチャリングが進んでいる段階です。トラディショナルな施策は打ち切られ、新しいマーケティング施策へと予算が投下されています。広告はよりシビアに精査・検討されていくのは間違いないでしょう。
あらゆるコミュニケーションが遠隔になったことで、コンテンツマーケティングの価値がより発揮されやすい土台はできていると思います。企業は賢くコンテンツ施策を運用できるかという視点から、手当たり次第ではなく、戦略的に取り組むことが肝要でしょう。

「オーディエンス」を「購入者」に育てる手順
――コンテンツマーケティングにおけるオーディエンスの価値をどのように見出せばいいのでしょうか?また、「オーディエンス」と「購入者」はどう違うのでしょうか?
Joe Pulizzi氏:単一の目的達成のためにコンテンツマーケティングで成果を上げることは、そんなに難しくないかもしれません。何か商品やサービスを売りたいときに、コンテンツマーケティングを駆使すればたくさんの購入者を集めることはできます。ウェビナー、ホワイトペーパー、ブログ等を通じて様々なコンテンツへ誘導するのは、悪いことではありませんよね。
それはそれで、戦術としてのコンテンツマーケティングのあり方としては正しいのでしょう。しかし、本来はそんな小さな話ではありません。オーディエンスの理解に基づいた「オーディエンスビジネス」への進化、すなわちビジネスモデルが重要なのです。
企業がオーディエンスの関心や嗜好をしっかり理解していなければ、その多くは購買には至らないでしょう。まずはオーディエンスと関係性を築くのが先決です。オーディエンスの理解に基づいてセグメント分けを行うことができれば、このセグメントにはこのプロダクト、別のセグメントには別のプロダクト……といった形で、「Multiple Revenue Stream(複数の収益の柱)」を築くことができます。
たとえば、Amazonは元々書店でしたが、集まったオーディエンスが「あれも欲しい」「これも買いたい」となり、拡大していきました。オーディエンスと関係を作れば、オーディエンスは企業が進むべき方向について自然と助言をしてくれるのです。
「先に売りつける」ことを目的にもってくるのは企業都合であり、利己的だと私は感じてしまいます。そうではなく、「どうすればオーディエンスの役に立てるか」をまず考えます。そこの順序を間違えなければ、やがてオーディエンスは購入者になってくれるでしょう。
ロイヤルなオーディエンスを作れば、最終的にビジネス成果につながるわけで、新規獲得の予算も結果的に減っていくでしょう。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
この記事は参考になりましたか?
- 半歩先行くコンテンツマーケティング 「独自性」を紐解いて活用する連載記事一覧
-
- CMIファウンダーのJoe Pulizzi氏に聞く、ニューノーマル時代のコンテンツマーケテ...
- 面白いアイデアはどうやって生み出すの? バーグハンバーグバーグの緻密なノウハウに迫る
- 検索1位の記事を日米で対決させてみた 日本のコンテンツ力の源泉は“武士道”の「義と勇」にあ...
- この記事の著者
-
中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)
SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
