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クリックの先の世界へ「D2Cビジネス」の進化と変貌

【「D2Cビジネス」の進化と変貌】第2回:「DX」「D2C」がマーケティングにもたらした変化とは?

 D2Cが注目される理由、そして現在起きている広告業界の変化について、ADKホールディングスの執行役員・グループCDOである大山俊哉氏が解説する本連載。今回は、急激なデジタルシフトによって起きた企業のディスラプション、DX、そして今話題のD2Cについても考える。

デジタルシフトがビジネスにもたらしたディスラプション

 前回の記事では、デジタル環境下における生活者、広告(メディア)・マーケティング、企業(クライアント)の3つの大きな変化を見てきた。これらの変化は、インターネットの普及、スマートフォンの誕生、各種インターネットサービスの出現など、ここ10年の急激なデジタルシフトによってもたらされた。

 この急激なデジタルシフトにより、直接的な影響(主にディスラプション、破壊)を受けているビジネスや企業は世の中には数多くある。たとえば小売業や新聞・出版・音楽などのコンテンツ流通業、旅行業、証券業、保険業、人材派遣業など、例を挙げればキリがない。

 これらの業界に共通する特徴は、主に「人」を介してその事業を行ってきたことと、全国に「店舗」などの物理的な設備を持ち、そこに「人」を配置してモノやサービスを提供するモデルであることである。

 我々のいる広告・マーケティング業界も最も大きな影響を受けている業界の1つだ。主に以下の5つの領域で厳しい戦いを強いられている。

・インターネット広告vs新聞・雑誌広告
・ニュースサイトvs新聞社
・コンテンツ配信プラットフォームvsテレビ局
・アマゾンvs出版社&書店
・インターネット広告プラットフォームvs広告代理店

米国で吹き荒れたディスラプションの嵐

 これらのディスラプションの動きはGAFA発祥の米国で始まった。

 iTunesは2003年にローンチされ、従来の店頭でレコードやCDというデバイスで1枚1枚売るモデルから、インターネット経由で提供され、定額制というサブスクリプションモデルへ瞬く間に進化した。

 ボーダーズは米国で2番目に多くの店舗を有する書店チェーンであったが、2011年にいわゆる「アマゾンエフェクト」で倒産したと言われている。また、2017年に米国で経営破産したトイザらスは、親が子供と一緒におもちゃを店頭で見てアマゾンで購入するといった生活者の買い物習慣の変化に屈した。当初はお互い業務提携する関係であったが、命運が尽きた。

 2013年に倒産したブロックバスターは、全米で3,000店舗を保有するビデオ・DVDレンタルチェーンであった。一方、後発のネットフリックスは、店舗でのレンタルだけに留まらず、顧客のニーズに応え、通信制のDVDレンタルを開始、さらに定額制を取り入れた後ストリーミング配信に行きつき、今や世界有数のコンテンツプロバイダーへと変貌した。

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この記事の著者

大山 俊哉(オオヤマ トシヤ)

 1984年に電通に入社。2007年にデジタルビジネス局に異動し局長就任、その後、ダイレクトマーケティング・ビジネス局長を歴任。2014年4月に執行役員就任。デジタルマーケティング、インターネットメディア、データソリューション、プロモーション領域の責任者としてグループ会社も含めて統括。2016年7月に電通デジタルを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33957

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