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大反響!InstagramのARエフェクトを利用したケンタッキー「カーネルカメラ」制作秘話【前編】

ARエフェクトでブランドとの距離を“一気に”縮める

――続いて、カーネルカメラを企画したきっかけを教えてください。

吉原:毎月Instagramアカウント運用についてのご報告をさせていただいているのですが、その際に1つのトピックスとしてARエフェクトをご紹介しました。そうしたら、平野さんももともとARエフェクトに関心をお持ちだったようで「コスメや映画のプロモーションで見かけますが、飲食での事例は少ないですよね。ぜひ日本KFCでやってみたいです」と言ってくださいました。その後、すぐに企画を進めることになりました。

平野:他社様や海外ブランドのSNSやプロモーションはよくチェックしていて、ARカメラで遊んだ経験もありました。日本KFCが50周年記念を迎える年に、新しくておもしろいことに挑戦したいと考えていましたので、とても画期的なご提案でした。

 またカーネルはメガネやヒゲなど、アイコニックなポイントをたくさん持っていますARエフェクトはそうした特徴を活かすのにぴったりだと、吉原さんと盛り上がりましたよね。

――続いて、Facebookの服部さんにうかがいます。FacebookはVRヘッドセットのOculus(オキュラス)をはじめとして、新しいテクノロジーへの投資が盛んです。AR領域への注力には、どのような背景があるのでしょうか。

服部:Instagramのミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」こと。それを実現するためのひとつの方法として、Facebook社として注力している「物理的な距離も乗り越えていこう」という考え方や技術を活用しています。この考えのアウトプットのひとつが、InstagramのARエフェクトなのです。

――なるほど。確かに、ARエフェクトでアイコンやキャラクターと一緒に撮影すると、ぐっと身近に感じますね。

服部:はい。日本における Instagramの月間アクティブアカウントは3,300万を超え、多くの人が昼夜問わず利用してくださり、日常に欠かせないプラットフォームへと成長しました。そしてInstagramは、写真や動画などビジュアルによる直感的なコミュニケーションに強いことから、「少し興味がある」から、「好きかもしれない」「見ていたらファンになった」と、その世界に徐々に没入できる特徴があります。例えるなら、一度ハマったらなかなか抜け出せない「沼」と言えるかもしれません。

 こうしたInstagramの特徴と、ARエフェクトを用いたコミュニケーションを掛け合わせることで、ブランドと利用者の距離を一気に縮めることができるでしょう。

開発のハードルを下げる「Spark AR」とは?

――今回ARの制作を担当されたトーチライトの灰田さんは、クリエイターとして、ARにはどのような印象を持っていましたか。

灰田:以前、イベントのお楽しみコンテンツとしてARカメラを制作したとき、利用者の方々にARを思っていた以上に抵抗なく気軽に楽しんでいただいたという実感を持っていました。一方企業にとってはモバイル向けARをゼロベースで制作するのは難しく、気軽に導入できるものではなかったのも事実です。しかしFacebookさんの「Spark AR」が登場して以降、効率よく制作を進めることができ、AR制作のハードルが一気に下がりました

(左)Facebook Japan クリエイティブ エージェンシー パートナー 服部タカユキ氏(右)トーチライト  ソーシャルテクノロジー戦略室 室長 灰田直史氏
(左)Facebook Japan クリエイティブ エージェンシー パートナー 服部タカユキ氏
(右)トーチライト ソーシャルテクノロジー戦略室 室長 灰田直史氏

――Spark ARについて詳しく教えてください。

服部:2019年より、InstagramでどなたでもSpark AR を使ってInstagramストーリーズのARカメラエフェクトを制作いただけるようになりました。Spark ARは、ARを開発・活用いただくためにFacebookが用意したプラットフォームで、無料の開発エンジン、最新の情報をお伝えするWebサイト、エンジニアやクリエイターをつなぐコミュニティを兼ねています。ARで何ができるのか、どうやって開発を進めるのかといった情報も、発信しています。

灰田:Spark ARを使うことでiOSおよびAndroidのクロスプラットフォームで動作するモバイル向けARを簡単に制作できます。WindowsとMacのどちらからでも開発できるなど、制作環境も充実しています。

 また、Spark ARが登場する以前には、ARを使っていただくには、まずARを表示させるアプリやツールの訴求からスタートしなければならず、マーケティングのハードルも高いものでした。しかしすでにユーザー基盤を持つInstagram上で展開すれば、ストーリーズを通じてARをすぐに試してもらえるポテンシャルがあると注目していました。今回はみんなが知っているKFCブランドによる先進的な取り組みですから、とてもやりがいがありましたね。

吉原:灰田さんはFacebook公式のARハッカソンにも参加され、ARに関する様々な知見をお持ちでした。そのため、こちらが漠然と持っている企画イメージをすぐにARエフェクトとして落とし込んでくださり、とてもスムーズに制作を進めることができました。

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インカメラ/アウトカメラの使い分けで、表現の幅を広げる

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/30 12:03 https://markezine.jp/article/detail/34037

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