インカメラ/アウトカメラの使い分けで、表現の幅を広げる
――今回リリースされたカーネルカメラは、特にアイデアを形にする過程で、試行錯誤が続いたと聞いています。どのようなプロセスを経て、企画が作られたのでしょうか。
平野:昨年の夏にご提案をいただき、制作スケジュールなども考え、今年の2月以降を目標にリリースを考えていました。はじめはバレンタインデーやホワイトデーのイベントに合わせ、SNS上で反響が起きるような、シュールでおもしろみのある企画を検討していたのです。
一方で、カーネルのメガネやヒゲといったアイコンも取り入れたいし、卒業式や入学式などのイベントでも使ってほしい思いもあって、「みんなでカーネルになれるというのはどうだろう」とアイデアも浮かびました。
吉原:また、このカーネルカメラをあらゆる人に使っていただきたいという思いもありました。Instagramのユーザーの中には人物写真を投稿するユーザーも風景写真を投稿するユーザーもいます。そんなInstagramの特性と、平野さんと温めていた企画を踏まえて、インカメラ/アウトカメラを使い分ける方向で話がまとまりました。
――灰田さんは、制作にあたって、どういった点がポイントだと思いましたか。
灰田:平野さんたちのチームは、実現したい世界観をしっかりとお持ちでした。「ものボケ」「記念撮影」「こんなところにカーネルがいた」のような利用シーンや、「いろんな町をカーネルが旅する」のような具体性のあるアイデアを話してくれたのです。ですから私たち制作サイドの役割は、テクノロジーの可能性を検証し、一方でSpark ARレビューポリシーを踏まえながら、アイデアを最大限に実現することだと考えておりました。
――ありがとうございます。記事の後編では、企画を実現するための設計・制作プロセス、そしてカーネルカメラのプロモーションについてうかがっていきます。
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