サブウェイのSNS戦略2:質を追いかける
辻本:SNS戦略その2「質を追いかける」に関しては、今年3月にアジャイルメディア・ネットワークさんと一緒に行ったファンの方と共創していく「#推しサンド キャンペーン」があります。

辻本:これはユーザーの自発的な発言、ユーザージェネレーテッドコンテンツ(UGC)を伸ばす企画で、参加者の目標数を1,000人とし、インセンティブもそんなに大きくなかったのですが、最終的に6,200人ほどの参加をいただきました。
参加者のほとんどが既にアカウントをフォローしてくれていたということもあり、気軽に投稿してくださったみたいです。こういうちょっと敷居の低いゆるい感じがTwitterのキャンペーンには合っている、と実感しましたね。
徳力:量を求めるのであればフォロー&RTキャンペーンは鉄板ですが、こうした既存ファンを主役にしたキャンペーンを挟むと、そこに熱量みたいなものが見える気がしますよね。
辻本:そうですね。お客様の投稿を見て、ああやっぱりこういうカスタマイズが好きなんだと知ることができたり、人気サンドが販売数とリンクしていることを確認できたり、いろいろ得るところがありました。
コロナ禍におけるTwitterのアクティビティ
辻本:そんな中、コロナによる緊急事態宣言が4月に出て、サブウェイ店舗も短縮営業や休業をせざるを得なくなりました。「こんな商品が出ました」とツイートをしても、「お店に行きたいけど今は行けない」といった声をよく見かけるようになりました。
何ができるかをチームで考えている中で、「在宅飯」や「おうちでごはん」という投稿をTwitterでよく見かけることに気付き、じゃあ、おうちでサブウェイやってもらおうか?! と考えて実施したのが「#おうちでサブウェイやってみた」という投稿キャンペーンです。
徳力:普通なら「テイクアウト訴求」になりそうなところを、サブウェイさんは「家で作る」を提案していて驚きました。
辻本:もちろん、テイクアウト訴求はウェブサイトやメール配信でやっていましたし、Twitterでも通常投稿の中で「テイクアウトできます。お電話でも注文できます」といったコロナ対策の訴求はしていました。
この企画を行ったのは、サブウェイが楽しいことをすることで、ファンのみなさまに元気を届けたかったというのが、一番の理由でしたね。
徳力:FC(フランチャイズオーナー)さんに怒られなかったですか? 家でサンドイッチ作られちゃったら店舗に来なくなっちゃうじゃないかと、超短期的視点で見られる可能性もあるわけですよね。
辻本:そうですね。でも、サブウェイのサンドイッチって簡単そうに見えますけど、意外に手がかかっていてそう簡単には作れないんですよ。その自負があったのでそこまで心配していなかったですね。
徳力:反対する上司などもいなかったんですか?
辻本:はい、わたしが最後のゲートキーパーなので(笑)。社内では、こういう企画をやろうと思ってると話はしますが、細かい部分までは報告してないですね。
徳力:企業の広報の人って、そういうのを全部止める側の人だというイメージがあるのですが……。
辻本:いや、うちはそんな大企業じゃない小さな会社ですから。そういう意味でも実現できた企画なのかもしれませんね。