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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

オールヴェルディで顧客・スポンサーに提案。東京ヴェルディのリブランディング戦略に迫る

総合クラブがもたらすブランドビジネス化

平地:総合クラブ化を進めるにあたって、どのような施策を行っているのか教えてください。

鈴木:各競技のチームと連携を深め、総合クラブとしての取り組みをきちんとサッカークラブ側からも発信することです。たとえば、ダンスチームが試合会場のコンコースで来場者を集めた即席ダンスレッスンやダンスパフォーマンスを行ったり、トライアスロンチームの選手による、ホームタウンの子ども達へのランニング教室を開催したりしています。

 オンラインだけでなく、Jリーグの東京ヴェルディの試合会場を活用したオフラインの取り組みも通じて、総合クラブとしての取り組みをより多くの方に知っていただけるようにしています。

 また、私自身、2019年までパートナー営業部に所属していましたが、サッカー以外の競技を含めた”オールヴェルディ“のパートナー提案を積極的に行うようになりました。サッカー以外のコンテンツに魅力を感じる企業様も少なくなく、企業様によっては「サッカーよりもeスポーツのほうがターゲットに近い」など、東京ヴェルディの多様な連携価値を実感し、パートナーとなってくれたところもありました。

 サッカーだけでなく、他競技も含めた取り組みに関する提案を、我々の引き出しの中に入れておけるのは、総合クラブ・東京ヴェルディとしての強みだと思います。

伏見:東京ヴェルディはサッカービジネスからブランドビジネスへの変革を進めています。これまでのスポーツビジネスはスポンサードが中心で、ユニフォームの露出などの広告価値を基準に考えられることが多く、企業様も関わり方が限定的でした。

 そうではなく、東京の多様性を活かしたいろんな人、街、競技で様々なビジネス・社会貢献に関われることのメリットを示していくことが重要だと考えています。

ブランドを一緒に作るところに価値を置く

平地:個人的には、外部から拝見したときにロゴやユニフォームの変更もリブランディングの取り組みとしては大きかったのでは、と考えています。特にユニフォームは全チームの統一感を出しつつ、パートナーのロゴもユニフォームのデザインに合わせたものに変更するなど、非常に先進的だと思ったのですが、どのように実現したのでしょうか。

伏見:これまでユニフォームにロゴを掲載するにも、どれだけ大きく載せるかといったことに価値を置きがちでしたが、今は東京ヴェルディというブランドを一緒に作る姿勢を価値として提案しています。そういった姿勢がファンの方を中心に評価してくれたり、SNSで声が生まれたりする、と提案してお互いのブランドイメージを大事にしようと考えた結果、脱バナーのデザインが実現しました。

鈴木:パートナー様のコーポレートロゴの色を統一させるのは非常に難しいことです。広告枠を購入いただいているので、企業としての想いの詰まったコーポレートロゴはそのまま載せるべきという考えは、パートナー様にも、もちろんあると思います。

 しかし、今回はすべてのユニフォームパートナー様にご納得いただき、ロゴの色を統一することができました。様々な方面から「東京ヴェルディのユニフォームがかっこいい」とSNSなどで話題にしていただけました。クラブの想いにご理解・ご協力いただいたユニフォームパートナー様に対しては本当に感謝しています。

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東京ヴェルディが注力するデジタル施策とは?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34139

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