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CVR145%の事例も!ブランドの世界観・商品特性を最大限表現した、資生堂のAmazon活用術

Amazon外からの流入設計も大事に

MZ:その他に、Amazonでの売上を向上させるために重要だったことはありますか。

浜野:SNSとの連動ですね。SNSで買う熱量のある方に対し購買意欲を高めるアプローチをして、Amazonという売り場にお越しいただくことが重要でした。ここに関しても、先ほどの5者で連携してPDCAを回していました。

塚本:主に行っていたのは、各種SNSメディアへの広告配信、インフルエンサーとのタイアップです。

株式会社サイバーエージェント 塚本 拓也氏
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
チーフアカウントプランナー 塚本 拓也氏

塚本:従来は、ブランド主語のバナーなどを流して、ブランドサイトに流入させるのが一般的でした。それだけではなく、商品や仕上がり、使い方を知っている人に対しては、「○○個売れています!」といったブランドの実績などをリターゲティングで訴求しました。また、その導線をAmazonにしたところ、従来の配信よりもCTRが1.1~1.2倍には上がっていました。

Amazon売上のベースが向上/CVRが145%になった商品も

MZ:Amazon外での広告配信も含めて行ってきた今回の取り組みですが、どのような成果が得られましたか。

浜野:Amazonの売上のベースが格段に上がりました。リマーケティング・リターゲティングを利用した広告やターゲットを絞ったリテール販促によるCRMによりリピート顧客が拡大したことと、ファンダメンタルである欠品率へのチャレンジや商品ページの改善が地道に効果を発揮した結果だと私は感じています。

廣田:中村が担当した商品詳細ページのクリエイティブ改善によって、大きくCVRが改善しました。たとえば、モイストカクテルフィクサーという商品では、レビューを踏まえてA+の改善を進めた結果、CVRが145%に。また、レビューの件数も増加し、評価も向上しました。

 また、浜野さんのお話に合ったように将来的なリターンを見据えた投資も非常に効果がありました。Amazonは競合の動きに左右されやすいので、広告掲載順位なども投資をして上げていくことが重要になります。最初は投資額を上げてもなかなか掲載順位が上がらなかったのですが、PDCAを回していくことで、直近は1位をキープすることができています。

今後はAmazon上でのブランドファン育成を

MZ:今回の成功を経て、今後実現したいことがあれば教えてください。

梶浦:今回で好調な波を作ることができたので、今後も3社で連携した取り組みができればと考えています。

浜野:今後はいかに生活者とブランドとのエンゲージメントを高めていくか、ということにチャレンジしていきたいです。

 Amazonでは実店舗に比べブランドスイッチが起こりやすいと考えています。棚は無限にあり、各メーカーが様々な販促を仕掛けることができるからです。そのため、競合に対する防御はもちろん、Amazonの中でどのようにファンを作っていくかを考えていくことが重要だと考えています。

 そのため、広告やAmazon商品詳細ページの改善を通じて、Amazon上でのブランドファン育成につながる取り組みを推進していきたいと考えています。

MZ:サイバーエージェントの皆さんはいかがでしょうか。

廣田:Amazon広告の運用に関しては、この流れを止めずにAmazonでリーチできる最後の1人までやり切るということですね。そして、Amazon外から来訪した方が購入検討しやすい商品詳細ページを作っていきたいと思います。

塚本:マジョリカ マジョルカのことを知ってもらい、好きになってもらうところに注力したいと思います。具体的に申し上げると、今後はベースメイク商品の訴求やリピート訴求を通じて、ブランドの売上基盤を強化したいと考えています。

中村:クリエイティブ目線だと、商品の併売を意識したアウトプットができないかと考えています。Amazonだと目的のものを購入することが多いと思うんですが、商品詳細ページなどで「この商品とこの商品を組み合わせると仕上がりが良くなる」といった訴求ができるといいなと考えています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/08 09:00 https://markezine.jp/article/detail/34187

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