SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZineプレミアムセミナー

【理論編】三井住友カード、Reproのマーケターが語る、コンテンツでブランド資産を積み上げる方法

理想は「気づいたらブランド資産になっていた」

 ここまで、「ブランド資産につながるコンテンツとは何か?」を整理してきた。

 予算を大きくかけたリッチなコンテンツや、話題性に富んだコンテンツがブランド資産を作るのではない。顧客のパーセプションを変える強度があり、誰に・どうやって届けるのかを設計し、実行の意義を中長期的に担保できているか。これらを満たしたコンテンツの積み重ねが、認知や獲得などの目的を達成し、気づけばブランド資産になっていく

 冒頭で紹介した、三井住友カードとReproのコンテンツ群は、多岐にわたっていた。そこには、1つのサイトやメディアですべてを対応しようと考えるのではなく、目的に合わせて複数のメディアを運営し、コンテンツを積み上げていく戦略があったのだ。

 しかしながら、「コンテンツマーケティング」には論点が多い。そこで實川氏は、コンテンツマーケティングの因数分解と掲げ、その多数の要素を分解した表を提示した。

(タップで拡大)
(タップで拡大)

 分類軸に、自社のサービスやプロダクトの特性、ターゲットユーザーの環境やマーケティングの軸など6つの切り口を取り上げ、「まずはコンテンツマーケティングの“どの分野”から始めるか、状況を整理しましょう」と語る。

 戦略レベルから戦術レベルまで、コンテンツマーケティングの施策は、企業が置かれている前提条件や商材特性によって、大きく変わってくる

 たとえばBtoBのReproの場合、競合他社と比較され、その検討時間も長い。サービスサイトに充分な情報拡充を行い、継続的にメールマガジンを配信し、見込み顧客と関係を継続するコンテンツが必要だ。一方の三井住友カードは、比較サイトの閲覧や口コミ調べはあるものの、Reproほどコンバージョンまでに時間がかかることはないだろう。SEOコンテンツで、他のコンテンツよりも詳しく、有益な情報をいかに盛り込むかがポイントだ。コンテンツマーケティングを実行に移す前に、商材やサービスの特徴を理解するほか、環境整理を行いたい。

ブランディングの前に、獲得をやり切る

 続いては、コンテンツを目的別に整理した表が紹介された。この表を用いると、「目的別にどんなコンテンツを作り、何のKPIを追うべきか?」がチェックできる。

(タップで拡大)
(タップで拡大)

 その上で實川氏は、「対象の商品やサービスが、マーケティングのどのフェーズにいるか。その判断を最優先に行いましょう」と話す。

 「ブランディング目的のコンテンツマーケティングでも、通常の広告やSEOで獲得をやり切っておくことが重要です。ブランディングは、より費用対効果が問われますし、一般的には獲得の次のステップに、中長期的なブランディングを考えます。先に、成果が可視化されやすい領域からはじめることがオススメです」(實川氏)

 さらに福田氏は、表の8から降順にステップを進めるのが正攻法とアドバイスする。

 「私はSEOコンテンツからスタートし、3年ほどかけてようやくエンゲージメントコンテンツに着手できるようになりました。ブランディングコンテンツSEO向けの“キャッシュレス読み物”作成も2018年からです」(福田氏)

 實川氏も、世の中に出てくる成功したブランディングコンテンツの事例は、あくまで特異例と指摘。「2匹目のどじょうを狙わず、再現性を考えて、獲得系コンテンツから実施しましょう」と提案した。

 コンテンツマーケティングとは何か? を問い、因数分解をしてコンテンツマーケティングの本質を明らかにしていった實川氏と福田氏。次のレポートでは、両社の事例を交えた実践方法を紹介する。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZineプレミアムセミナー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/10/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34398

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング