昨今、顧客獲得の手段としてウェビナーに取り組むBtoB企業が増えているが、商談化への壁は高い。しかし、コロナ禍以前からウェビナーに取り組むシャノンでは、顧客の購買フェーズをアップさせる「関心引き上げウェビナー」を実施することで、成果を挙げてきたという。本稿では、 数々のウェビナーの企画・設計・実施に加え、参加者のフォローアップまで担当しているシャノン マーケティング部 藤井里名氏に話を聞いた。
コロナ禍以前からウェビナーに取り組んでいたワケ
――御社ではコロナ禍以前から1年以上にわたって、興味・関心層の顧客の購買フェーズを引き上げる「関心引き上げウェビナー」を実施され、受注企業の8割以上がこれを視聴しているそうですね。本日は、コンテンツの設計、集客、実施後のフォローなど、ウェビナー実践について伺いたいと思います。まずは、藤井さんの自己紹介をお願いします。
藤井:シャノンマーケティング部の藤井です。私は、お客様との接点となるコンテンツ制作全般を担当し、ウェビナーの企画・設計に加え、ウェビナーの講師も務めています。
――当時、ウェビナーはそれほど普及していなかったのではないかと思いますが、取り組みを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
藤井:当時私はインサイドセールスとして働いていたのですが、セミナーにご参加くださったお客様に架電すると商談がしやすく、次の購買フェーズに進みやすい一方で、参加者の母数は限られていました。
参加者を増やすために、集客メールをお送りしたお客様に架電してみても、状況は変わりませんでした。そのため、いきなりセミナーへ集客せず、お客様の興味・関心を引き上げる「セミナーと架電の間をつなぐ新しい施策」が不可欠だと感じたのです。
架電してアプローチするほど購買意識が高まっていないお客様に、もっと興味をもってもらうきっかけを作る必要があるのではと、セミナーよりも参加ハードルの低い施策として、ウェビナーに取り組むことになりました。
Whyから伝えて「顧客の隠れた買う気スイッチ」を動かす
――現在は、どのようなウェビナーを実施されているのでしょうか。
藤井:興味・関心層の方に向けた「関心引き上げウェビナー」と、比較検討層へ向けて行う「製品紹介ウェビナー」を行っています。
藤井:いずれのウェビナーでも重要なのは、目的を設定し、真のインサイトに迫ることです。
弊社ではインサイトを「顧客の隠れた買う気スイッチ」と呼んでいます。お客様自身でも気付いていない潜在的な欲求は、はっきりと見えるものではありませんが、ひとたび刺激すれば購買意欲が高まるポイントです。
たとえば、弊社のお客様の課題として多いのは、顧客情報の一元管理ができないことです。しかし、さらに深くお客様のお話を聞いていくと、本当の課題は「一元管理ができないことによって、計画通りのマーケティング施策が実施できないこと」だとわかってきます。真のインサイトは、お客様が心の底で本当にストレスだと感じているポイントを探ることで見えてくるものです。
――なるほど。表層的な欲求ではなく、より深いインサイトを軸にウェビナーを実施されているのですね。
藤井:はい。ウェビナーのテーマ、タイトル、内容の一つひとつにインサイトが、反映されているか、そこに一貫性があるかどうかが大切です。
それから、「関心引き上げウェビナー」では、伝える順番にも気をつけています。これは『WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはこう違う』の著者・サイモン・シネック氏のTEDでのスピーチ『優れたリーダーはどうやって行動を促すか』という動画を参考にしているのですが、 彼は動画の中で、人の心を動かすには、「Why, How, Whatの順序で伝えることが重要だ」と述べています。「顧客の隠れた買う気スイッチ」を動かすためには、なぜ今その課題を解決すべきなのか、というWhyから伝えることが有効です。コンテンツ内容としては、WhyとHowにボリュームを割き、Whatの部分は最小限にしています。
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- この記事の著者
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石川 香苗子(イシカワ カナコ)
ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。
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