配信事業者9社で「広告の健全化声明」を発表
――アフィリエイト市場で、インタースペースの提供する「ACCESSTRADE」はどのような特徴を持っているのでしょうか?
室山:「ACCESSTRADE」は約50万のパートナーサイトネットワークを持ち、幅広い業種の広告主に対し様々な属性のメディアを提供できることを強みにアフィリエイト広告業界のリーディングソリューションとしてシェアを拡大してきました。金融、EC、人材などの各種サービスに対して、それぞれ専門的なサポートを行っており、「仮想通貨」や「格安スマホ」などの新しいトレンドのキャッチも得意としております。
――では、市場の課題として挙げられていた「ブランドセーフティ」についてはどのような取り組みをしてきたのでしょうか?
室山:2019年7月、広告配信プラットフォーム事業者と連携し「ネット広告の健全化に向けた共同声明」を発表しました。当社はその旗振り役として、各社の意見や要望などを取りまとめる役割を担いました。
この声明をきっかけに、当社は取引先各社とも様々な話し合いを重ねました。たとえば、獲得効率を高めるため過度な広告訴求を行う広告主とは、お取り引きを控えさせていただくことを決めました。また各メディアには法令遵守や掲載面の開示、特筆すべき事象が起こったときに誠実に対応するといったことについて改めて合意を求めました。
実際に業績への影響はありましたが、それ以上に市場やステークホルダーに対して誠実に対応し、業界全体の指針となることが重要だと判断しました。
「LOGRIZa」の導入で広告掲載面を可視化
――リーディングカンパニーが率先して健全化に取り組めば、業界全体も方向転換せざるを得なくなりますね。こうした取り組みについて、広告主やメディアからどのような反応がありましたか。
室山:残念ながらご賛同いただけないケースもありましたが、こうした姿勢を大いに評価いただき、ブランドセーフティを高められると、これまで以上に取り引きいただくケースもありました。様々な声をいただき、勇気づけられましたね。
――フォースリーの掲載面管理システム「LOGRIZa」を導入したのは、広告の掲載面を知りたいという広告主側からの要請によるものですか。
室山:そうです。「LOGRIZa」を導入したのは今年の3月ですが、以前から自社の広告がどのようなメディアに、どのような見え方で掲載されているのか知りたいという広告主の声が多数届いていました。掲載面の可視化の必要性を痛感していたのです。
ちょうど前年の11月に、多数の広告主からなるJAAが「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」を発表し、「すべてのアドバタイザーとパートナーが取るべき8つの原則」の一つとして「厳格なブランドセーフティの担保」を上げました。
それに加えて、当社が加盟するJIAAも2月に「デジタル広告の課題解決に向けた共同宣言」を発表。広告主も広告配信プラットフォームも、恊働して掲載面の透明性を担保し、ブランドセーフティに取り組んでいこうと足並みをそろえたところでした。
フォースリーの「LOGRIZa」を導入すれば、掲載面の管理・確認ができるようになり、広告主・消費者の双方に対して高い信頼性と透明性を担保できると考えました。