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MarkeZine Day 2025 Autumn

花王廣澤氏が若手視点で聞く、これまでとこれからのマーケティング

【前編】花王廣澤氏×博報堂岡田氏が探る、コロナ禍でマーケターが見直すべきインプットとアウトプット


計画雑談がブラッシュアップを生む

廣澤:自分を律するために、岡田さん流のルールがいくつかあるのが分かったのですが、そこに他者はどのように関わってきますか。

岡田:先ほどの資料を作る際も、作ったら終わりではなく何度もいろんな人に話をするようにしています。それは雑談からプレゼンの練習まで様々です。

 これによって、2つ良いことがあると思っています。1つは、自分が話していて詰まるところ、説明しきれないことに気づくことができることです。もう1つは、相手から直接フィードバックをもらえるということです。これらの気づきからブラッシュアップしてより良いアウトプットが出せるよう心がけています。

廣澤:先ほどのルーティンに壁打ち相手を作っていくとのことですが、コロナ禍になって誰かに壁打ちをする機会が減ったなと思っています。岡田さんはいかがですか。

岡田:確かに減りましたね。これまでは隣にいる同僚や先輩に相談ついでに雑談する機会がありましたが、今はそれも難しくなりましたね。

廣澤:そこに対する対策ってありますか。中々オンライン会議ツールで声をかけると言うのは難しいじゃないですか(笑)?

岡田:少し言葉が矛盾しますが、「計画的な雑談」が対策の1つになると考えています。これまでは偶然に近い雑談が多かったのが、今後は「30分相談兼ねて雑談する機会をもらえますか?」と提案する機会が増えていくのではないでしょうか。意外と相手も雑談を求めているケースもあると思いますし、どのような内容の雑談がしたいのかを明かせば、断られることは少ないはずです。

アウトプット前提に生きれば、自ずとセレンディピティが生まれる

廣澤:計画雑談は確かに良いですね。1時間の会議を早めに終わらせて、余った時間を雑談に使ってみるなども1つかもしれませんね。雑談ってセレンディピティの1つかと思いますが、岡田さんはコロナ前後でセレンディピティの変化は感じていますでしょうか。人によっては人に会う機会や外出する機会が減って、セレンディピティが減ったという人もいると思いますが、大して変わっていないという人もいたので。

岡田:確かに、人から得られるセレンディピティは減ったように思いますが、その他にもセレンディピティを得られる場面は沢山あります。流行しているゲームをプレイしてみたり、行ったことがないお店のテイクアウトを試してみたりと、コロナ禍にならなければ経験しなかったこともあったと思いますし、そこから新しい刺激も得られています。

 また、これはコロナ禍になる前から意識していることですが、アウトプットを前提にすれば、セレンディピティは自ずと訪れると思っています。noteなどで新たに記事を書くとして、そのネタとしてテイクアウトを試してみる。そこでの顧客体験や気づきを記事にして、そこからレスポンスが得られる。この一連の流れの中で、セレンディピティは生まれるものだと思っています。

 単に新しいことをしたり人を話したりするだけではなく、それを自分なりに解釈してアウトプットしていくことが大事だと思っています。インプットが減ったと思いがちですが、実は減ったのはアウトプットの方かもしれません。そのため、締め切りの話に近いですが、月に何回アウトプットすると決めれば、自ずとセレンディピティに出くわすための行動が出てくるのではないでしょうか。

廣澤:最近ウェビナーなども増えていますが、そういったものでもインプットするだけではなく、自分なりに解釈してアウトプットすることが、学びにもつながるんだろうなと思いました。

 前編はここまでとなります。後半は岡田さんが研究を進めるユーザーイノベーションがマーケティングにどのように役立っていくのか解説いただきます。お楽しみに!

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/06 21:13 https://markezine.jp/article/detail/34689

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