コンテンツマーケティングを成功させるポイント10選

福田:これすごいTIPSですね!すごくためになる!
赤司:成功させるポイントをまとめたので、ぜひ一つひとつ自分がやっているコンテンツマーケティングと照らし合わせてもらえたらと思います。
まず、コンテンツマーケティングは長期戦でやりましょうということです。まず3ヵ月やって成果をみましょうとか、短期スパンの成果を期待するのはやめましょう。コンテンツマーケティングは長期的施策です。既に広告やアフィリエイトを使ってCPAが安い商材は、コンテンツマーケティングではROIが合いません。「とりあえず始める」のは失敗しやすいのでやめましょう。
そして、支援側の目線で率直に言うと、ベンダーに丸投げすると、うまくいかない場合が多いと思います。ベンダーにしっかりと情報開示して、SEOの対策キーワードやコンテンツの大枠の戦略は自社でしっかりハンドリングしないと成功しません。福田さんの場合、お話を聞いてると、ご自身でキーワードとかカテゴリーをしっかりディレクションされていると感じますが、それが成功の前提条件です。事業主側のコミットや熱意が必要です。
最初に取り掛かるべきなのは、福田さんもおっしゃっていましたが、成果の出やすいつまり獲得につながりやすいコンテンツ、つまりSEO目的のコンテンツとサービス紹介に近いCV目的のコンテンツをしっかり作ること。その次にブランディングや読み物系を作っていくという優先順位が良いと思います。
記事数に関してはおよそ200記事というマイルストーンがあることは先ほどお話したので、効率よくベンダーを使って達成していただきたいなと思います。競合コンテンツの分析だけではなく、今評価されているコンテンツはどんなコンテンツかということをしっかり把握して、独自性のあるコンテンツブロックを最低1つは用意してください。
最後に、せっかく良いコンテンツがあっても、CTAがない場合が意外に多い。記事を読了しても、そこからなんの導線もないのは、もったいないです。コンテンツを読んでエンゲージメントが高まっているユーザーに対して、しっかりと各コンテンツに合わせた最適なCTAを用意するのは非常に重要ですし、有効です。そこまでやって、コンテンツマーケティングと言えます。Trendemonさんが来訪者のジャーニーを自動最適化するパーソナライゼーションを搭載しているのも、この思想からだと思うので非常に共感できます。
福田:素晴らしいTIPS集だと思います。私もこの10個大切だなと気づけたのはごく最近のことで、この10個を実行すると、間違いなく成功しますね。特に大事なのは「自社でコミットして、大枠の戦略や注力したいキーワードを用意する」だと思います。あとは、まずは成果の出やすいSEO目的コンテンツから着手するというのも、組織を動かすという点では重要ですね。
CPA5,000円以上であれば、コンテンツマーケティングをやるべき
栗田:先ほど福田さんが獲得シミュレーションのCPAは、リスティング以上Web広告(DSP)未満に設定したとおっしゃってましたが、しっかりCPAを計算してから始めることが大事なんですね。
赤司:はい、商材によりけりではあるのですが、たとえば既にアフィリエイトや広告を活用してCPA2,000~3,000円だったりすると、コンテンツマーケティングはやらずにそのまま今の施策を続けるべきでしょう。でも、広告等の施策を含めてもCPAが5,000円以上だったら、コンテンツマーケティングはやったほうが良いと思います。
栗田:ちなみに、福田さんは、想定CPAをリスティング以上Web広告(DSP)未満に設定した根拠ってなんだったんでしょうか?
福田:リスティングでサービス名とか社名に出稿している場合は、コンテンツマーケティングでそれを下回るCPAっていうのは難しいと思うんです。でも、DSPとかWeb広告っていうのはまだニーズが顕在化していない潜在層に向けてのもので、コンテンツマーケティングで狙っていく層まさにそのものじゃないですか。コンテンツマーケティングではリスティングやアフィリエイトよりもCPAが低くなることはまずないという時点で、CPAが高いものでないとROIが合わないですよね。
コンテンツマーケティングにおける失敗の本質
栗田:では、コンテンツマーケティングにおける失敗の本質とは何でしょうか?
福田:私もコンテンツマーケティングについてのセミナーに色々登壇させていただいていますが、皆さんから「どうすれば自信を持てますか?」とよく質問されます。なぜ自信を持てないかというと、KPIが定まっていないからの一言に尽きる、と思います。KPIが定まってないと、シミュレーションができないので、どこに向かっていいのかわからないんです。
そうならないようにするには、まずKPIを決める。KPIさえ明確であれば、何をすれば自分の評価になるのかがわかるので、そのためなら頑張れますよね。あとは、知識を高める。つまりマーケティングやデジタルについて勉強することによって、自信がついたりもすると思います。最低限の知識がないとKPI設計は厳しいと思うので、絶え間なくインプットするように私も心がけています。
栗田:視聴者の方から福田さんに、質問が来ました。法人コンテンツの闇の時代は1年以上あったということですが、コンテンツマーケティングを始めて成果が出るまでの間、上長にどういう報告をしていましたか?どう「成果が出始めている」と伝えていましたか?
福田:正直、コンテンツマーケティングの成果の芽って、ある日突然出るんです。朝顔みたいに徐々に育っていくことはなくて、本当に、何の前触れもなく、突然成果が出るんです(笑)。なので、その成果が出るまで肩身の狭い思いは絶対にする、ということです。
赤司:福田さんのおっしゃる通りです。
福田:なので、不遇の時代を過ごす覚悟とセットだと思います。メンタルを保ちながら、粘り強くやり続ける、不退転の覚悟が必要と思います。覚悟というと少し曖昧なんですが、要はコミットメントです。事業に対するコミット、組織へのコミット、関係各社(ベンダー)へのコミット、自分を含めたすべての人に対するコミットがないと、闇にのまれると思います。
栗田:この「責任を取る人」と「現場で先頭に立って旗を振る人」は、同じである必要がありますか?
福田:同じでないと、成果は出にくいとは思います。旗を振る人が熱意をもって社内の現場とベンダーさん両方を引っ張らないといけないので、ある程度組織において権限や発言力がないと難しいと思います。もし現場担当者に権限がない場合は、上司が必ず覚悟を持つことが必要です。だから、一番良いのはある程度権限がある立場の人が現場を仕切ったほうが良いです。
そうじゃない場合、つまり、現場のリーダーに権限や発言力がない場合は、そのリーダーの上司は、報告だけ聞いて適当にそれっぽいこと返すだけじゃなくて、ちゃんと覚悟を持たないとだめだと思います。現場担当だけでは、絶対に無理だと思います。
栗田:では、次の失敗の本質「理解されない」です。これも確かによくありますね。
福田:私はこれがコンテンツマーケティングの闇の根幹かなと思っています。理解されないから、自信も持てないし覚悟もできない、という負のループになる。社外の人がネガティブなことを言わないのは普通のことですが、問題は社内なんですよ。社内にしっかり重要性と目的をプレゼンできていないと、評価されにくいんです。理解してもらうには、どうしても先に説明した「KPIは何か?」に向き合う必要があるし、社内コミュニケーション力とプレゼンテーション力が必要だと思います。それがないと、「何のためにやってるんだ?」ということになりますから。