在宅の生活者と接点を “One to Many”の新たな戦略
――対面の接点が作りにくい状況は、今後しばらく続くと思われます。各企業はこの状況をどのように乗り切っているのでしょうか。
今井:どの企業も様々な工夫をされていますが、その中で非対面・オフラインの接点としてDMを有効に活用いただいています。
あるガス会社ではDMを送付し、そこからQRコードを読み込んでもらうことでバーチャル展示場へと誘導しています。告知はDMに加えて、Web上のLPやEメールでも実施。実はリアルの展示会も開いており、告知~来場までクロスチャネルで接点を用意し、お客さまに最適な方法を選んでいただけるようにしたそうです。
今井:また、強いインパクトを与えるため、手元に届いたDMを開封すると大きなポスターになる「ポスターDM」や、組み立てて直立させることができるスタンド型のDMを展開したケースもあります。昨今、DMのOne to One化が進んでいると言われていますが、コロナ禍で家族が在宅するようになったことを受け、一つのDMを家族全員に見てもらう“One to Many戦略”をとる企業が増えているのではないでしょうか。
添田:EメールやSMSでアプローチしたユーザーに対して、その直後に紙のDMでアプローチしてエンゲージメントを高めたいというご要望が増えてきています。こうした多様なニーズに、小ロット・短納期で対応できるのが「CloudDM」です。
MAツールと連携し、パーソナライズDMを即時に発送
――「CloudDM」にはどのような特徴がありますか。
今井:「CloudDM」は、 DMの課題となっていたスピード感やコスト、パーソナライズができないといった点を解決し、デジタルマーケティングの一つの武器として紙のDMを活用できるようにすることを目指したDMパッケージサービスです。DMの自動化、即時化、パーソナライズを可能にし、デジタルとの融合を実現します。
今井:まず、自動化という面では、多くのマーケターが取り入れているSalesforce Marketing Cloud、Salesforce Pardot、Marketo EngageといったMAツールと自動でデータ連携し、送付したいリードや顧客に自動的にDMを送れるように準備しており、12月ごろに提供を開始する予定です。連携可能なMAツールについては、順次増やしていく予定です。
これにより、郵送のDMでも即時コミュニケーションが可能になるだけでなく、顧客属性やキャンペーンのセグメントごとにクリエイティブを作り分けてパーソナライズな内容で届けることも容易になります。さらに「CloudDM」ではデザイン制作までワンストップで請け負っていますが、弊社にはこれまで長年培ってきた制作ノウハウがあるため、訴求性の高いデザインを制作できます。
たとえば、約7割の方が5秒以内にDMを開封するかどうかを判別するため、一瞬でDMがどのように見られるのかといった分析を用い、デザインを制作しています。また被験者の視線情報を可視化する「視線計測調査」や、脳波を利用した「感性評価」なども活用し、UI/UXの改善に取り組んでいます。
添田:現状、マーケティング戦略については紙とデジタルの両極化がみられ、いずれか片方のみを採用するケースが多いと感じています。弊社が目指すのは、紙とデジタルの融合を進め、両者の長所をうまく取り入れたサービスです。「自動化」「即時性」「パーソナライズ」により、DMの効果は向上していくでしょう。
今井:そうですね。「CloudDM」は月間のご利用通数で費用が決まる、従量課金制を採用しているため、スモールスタートでお試しいただくことも可能です。また、最短翌日発送も実現しています。