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定期誌『MarkeZine』特集

押さえておきたい、2020年デジタルメディアランキング

アプリではPayPayが躍進、SNSはインスタユーザーが増加

 続いて、アプリも同様に利用者数のトップ10(図表3)を見てみます(対象はAndroidユーザー。ここではGoogle、YouTube、Gmailなどのプリインストールアプリは除外)。

図表3 アプリ利用者数トップ10(タップで画像拡大)
図表3 アプリ利用者数トップ10(タップで画像拡大)

 アプリでは、LINEが圧倒的に強く、Twitter、InstagramとSNSがトップ3に。特にInstagramは前年比114%と伸びています。特筆すべきは5位のPayPay。前年比230%の大躍進です。スマホ決済サービスPayPayは2018年10月にサービスを開始し、同年12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」で認知を拡大。2019年には消費税増税にともなうキャッシュレス・ポイント還元事業の追い風を受け急成長しましたが、2020年はさらに新型コロナにより非接触決済の需要が高まり、スマホ決済サービスの中では独走状態に入っています。年代別に見たアプリ利用者数のランキング(図表4)でも、60代以上の層でLINE、Yahoo!に続く3位に入っており、キャッシュレス決済の定番サービスとして幅広い層に利用が拡大しているようです。

図表4 【20代】と【60代以上のアプリ利用者数ランキング比較(タップで画像拡大)
図表4 【20代】と【60代以上】のアプリ利用者数ランキング比較(タップで画像拡大)

 今年4月にはPayPayモール、PayPayフリマをPayPayのアプリ内で利用できるようにしたほか、来年春にはジャパンネット銀行がPayPay銀行に名称変更するなど、Zホールディングス傘下の金融事業は「PayPay」ブランドに統一されることが発表されており、PayPay経済圏の動向から目が離せません。

コロナ禍でNetflixなど動画アプリの裾野が拡大

 前述のWebサイトランキングではYouTubeが前年よりも伸びていることがわかりましたが、動画サービス全般ではどうでしょうか。2020年の動画アプリの利用者数ランキングを作成してみました(図表5)。

図表5 【動画】アプリ利用者数トップ10(タップで画像拡大)
図表5 【動画】アプリ利用者数トップ10(タップで画像拡大)

 上位の動画アプリはいずれも利用者が前年よりも伸びており、特に7位のNetflixは前年比171%と顕著に増加しています。Netflixアプリ利用者の年代別構成比は、20〜40代で全体の約8割を占める一方、50代以上の層では利用者数が前年比2倍超と大幅伸長していることがわかりました(図表6)。

図表6 Netflixのアプリ利用者の年代別構成比と前年比
図表6 Netflixのアプリ利用者の年代別構成比と前年比

 リアリティ番組「テラスハウス」などを中心に、主に若年層からの支持を得ていたNetflixですが、2020年2月より韓国ドラマ「愛の不時着」が配信開始され話題となり、利用者層の裾野が拡大したものと考えられます。

 また、新型コロナ感染拡大による外出自粛の影響も大きく、ヴァリューズが実施したアンケート調査では「新型コロナ影響拡大をきっかけに興味を持ったこと」の第3位に「無料動画配信サービス」が挙がっていました(図表7)。

図表7(タップで画像拡大)
図表7(タップで画像拡大)

明暗分かれるメディア集客 noteはユーザー数が前年比2倍に成長

 新型コロナの煽りを受けたのはホテル・旅館や店舗だけでなく、予約や集客をサポートするメディアも同様です。ヴァリューズが独自に定義する「メディア」関連Webサイトの訪問者数ランキング(図表8)を見ると、じゃらんnetや楽天トラベルなどの宿泊予約サイト、ぐるなびやRettyなどグルメ情報サイトは軒並み前年比80%前後にとどまり、コロナ禍で苦戦を強いられた状況がうかがえます。

図表8 【メディア】Webサイト訪問者数トップ10(タップで画像拡大)
図表8 【メディア】Webサイト訪問者数トップ10(タップで画像拡大)

 他方、2020年に飛躍を遂げたメディアも。前年比が約2倍で大幅増となった1位のnoteは、2019年11月にURLを「note.mu」から「note.com」へドメイン変更するという転機がありました。ヴァリューズのマーケティング・リサーチツールDockpit(ドックピット)を用いて調査したところ、12月は一時的に検索流入が落ちたものの、2020年1月からはV字回復。そのままユーザー数は右肩上がりに成長を続けています(図表9)。

図表9 「mybest」サイトの検索流入セッション数推移10(タップで画像拡大)
図表9 「mybest」サイトの検索流入セッション数推移10(タップで画像拡大)

 noteはブログのように誰でも手軽にテキスト、画像、音声などを情報発信できるメディアですが、コンテンツを有料販売することができ、個人のスキルやノウハウを活かした副業など、新型コロナで加速したと考えられるニーズを巧みに汲み取りました。noteには企業向けのプランもあり、キリンビールなどがオウンドメディアとして活用しています。新たなコンテンツプラットフォームとして、今後も大手からベンチャーまで幅広い企業での利用が進むと思われます。

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注目メディアmybest 専門家監修のコンテンツで検索流入を伸ばす

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この記事の著者

子安 亜紀子(コヤス アキコ)

株式会社ヴァリューズ 執行役員

慶應義塾大学 環境情報学部卒。システムエンジニア・Webコンサルタントを経て、マクロミルに入社。マクロミルのベンチャー時代から、商品開発、事業企画、営業企画などを手掛ける。2011年からヴァリューズに参画。執行役員として、事業企画やマーケティング部門の統括、海外事業などを担当して...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:46 https://markezine.jp/article/detail/34837

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