広告媒体を選ぶときに意識していることは?(ネスレ日本・小堺吉樹氏)

ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーションズ
本部媒体統括部 小堺吉樹氏Profile
2011年、ネスレ日本に入社。マーケティング部で、業務用コーヒーマシンのローンチや、家庭外における新しいビジネスモデルの創造に注力。2018年より媒体統括部にて、「ネスカフェ」や「キットカット」のメディアプランニングを担当。
注目している媒体
- プラットフォーマー:Instagram、Amazon
- コンテンツメディア:北欧、暮らしの道具店、sippo、新R25
- 動画メディア:ABEMAアプリ:RoomClip、Brave、Simeji
媒体選定で最も意識しなければならないのは、実際にその広告を体験する「顧客」です。ネスレ日本は多くのブランドを所有しており、それぞれのブランドや施策によってKGIやKPIは異なりますが、「顧客」を中心に据えた広告プランを創り上げるという点はすべてに共通します。
KPIにクリック単価や視聴単価等の具体的な数値を置いてしまうと、どうしてもその数値をベースに媒体選定を進めてしまいがちです。しかし、そういった場合でもまずは「顧客」に丁寧に目を向けて出稿媒体を検討することを広告代理店にもお願いしています。
効果的な媒体選定のためには、顧客を中心に据えた上で、複数の側面から検討が必要です。そのために、まずはターゲットとなる顧客を深掘りし、行動特性やメディア接触における特徴等を把握します。そして、ブランドやメッセージに対して顧客の関心が高まるであろう時と場所を見つけ出します。この「顧客の受容性」を見つけることが、効果的かつ効率的な消費者コミュニケーションのための重要な要素です。
次に、「ブランドやクリエイティブメッセージ」と広告媒体の特性やユーザーを照らし合わせ、親和性があるかどうかを検討します。「顧客の受容性」と「ブランドやクリエイティブメッセージとの親和性」の双方を満たすものが、出稿に適した広告媒体となります。
注意しなければならないのは、認知から購買に至る顧客体験の各段階によって、適切なアプローチ方法やクリエイティブメッセージが変化するということ。つまり、上記の「顧客の受容性」と「ブランドやクリエイティブメッセージとの親和性」は、顧客体験の段階ごとに検討していく必要があります。
最終的には、候補に挙がった広告媒体とオウンドメディアを、一連の顧客体験の中に落とし込んでいき広告プランを完成させます。ネスレ日本ではこのような検討プロセスを経ることにより、効果的な媒体選定が可能になると考えています。