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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』特集

生産者数は5倍、ユーザー数は23倍に 爆速成長を遂げた食べチョクの戦略

 ビビッドガーデンが提供するオンライン直売所「食べチョク」。元々は料理に時間をかけてこだわり尽くした食材を選ぶ主婦の方から人気を集めていた同サービスだが、2020年はより幅広い方にも受け入れられ、多くの農家や漁師が食べチョクを通じてECを展開するに至った。本記事では、同サービスが急激な成長を遂げた理由を探った。

※本記事は、2020年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』60号に掲載したものです。

生産者の販路拡大を様々な形で支援

株式会社ビビッドガーデン マーケティング統括 松浦悠介(まつうら・ゆうすけ)氏
東京生まれ川崎育ち。一橋大学卒業。学生時代に4社のスタートアップを経験、EC・メディアを立ち上げマーケティングを学ぶ。外資IT企業へ入社し、新卒初のテクニカルトレーナー職として従事。2018年11月よりビビッドガーデンに参画。現在はマーケティングやグロース全般を統括。

――食べチョクは、生産者と生活者双方に向き合うサービスだと思いますが、コロナ禍の2020年は、それぞれに対しどのようなアプローチを行っていたのか教えてください。

 まず、生産者の方に対しては、問い合わせなどのインバウンドを中心に数を増やしていく戦略をとっていました。農業関連の専門メディアへの情報提供を積極的に行い、生産者の皆様を中心に情報を届けていました。

 また、食べチョクを利用している方の紹介による問い合わせも増えました。食べチョクでは初期費用や月額費用がかからず、無料で生産者ページを作ることができます。生産者さんの中にはSNSのプロフィールに食べチョクの生産者ページのURLを載せるくらい、気に入っていただいている方も多いです。そういった生産者さんに文章では伝えきれない部分をインタビューして短編動画を作り、YouTubeで情報発信を行っています。

――生産者側とのコミュニケーションは、営業やカスタマーサクセスのようなチームが対応しているのでしょうか。

 生産者側に関しては登録を案内するチームとプロデューサーサクセス(登録後の生産者をサポートする)チームが一気通貫でサポートしています。そして、現在特に注力しているのがナレッジの共有です。たとえば、生産者の方の多くがFacebookアカウントを持っていますので、Facebookでグループを作り、食べチョクのキャンペーンのお知らせや生産者の方がメディア露出した情報などを共有しています。

 また、食べチョク学校と呼ばれるZoomを活用した勉強会も開催し、積極的に生産者同士で学び合える場を提供しています。食べチョクに掲載する商品画像の撮影の仕方などはもちろん、DeNAの南場智子さんや元陸上選手の為末大さんをお呼びし、異業種からの知見も届けています。

地道な施策の拡張とCRMでファンを増やす

――生活者側に関してはいかがでしょうか。

 まず、コロナ前のマーケティングを振り返ると、地道に定番施策を行ってきました。まずはSEOやアフィリエイト、SNS運用など低コストで施策を展開し、LTVとCACが見合うようになるまで展開してきました。そこがあってきたらリスティング広告などのペイドメディアも使うようになり、徐々に施策を拡張してきました。

 そして、コミュニケーション手法として大事にしていたのがCRMです。食に関するECを展開しているので、スーパーではなく食べチョクで注文したいと思っていただけるように、他のサービスとの違いがわかるコミュニケーションを意識しています。1度利用してくれた方のリピート率を上げることが重要でした。

 具体的にはメルマガとLINE、アプリを活用した施策でCRMを回してきました。メルマガはHTMLメールで見やすいクリエイティブにすることで、開封率はしばしば30%を超えます。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:48 https://markezine.jp/article/detail/35100

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