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定期誌『MarkeZine』特集

生産者数は5倍、ユーザー数は23倍に 爆速成長を遂げた食べチョクの戦略

生産者数は5倍、ユーザー数は23倍に

――2020年に取り組んだ施策によって、どのような成果が見られましたか。

 生産者数に関しては、2019年12月時点で650軒だったのが、3,000軒まで増加し、約5倍となりました。また、登録ユーザー数も2019年12月時点から2020年10月時点までで23倍まで増えています。

 食べチョクの場合、生産者数とユーザー数を偏りなく伸ばしていくことが重要です。生産者数だけが増えても生産者さん1人あたりの売り上げが下がってしまいますし、ユーザーだけが増えても商品が足りない状況が発生します。双方を大幅に伸ばすことができたのは一番大きな成果ですね。

――これだけの急成長ができたのは、やはり新型コロナウイルスなどによる影響も大きいのでしょうか。

 我々の企業フェーズと食のECに対する認識の変化に加え、新型コロナウイルスの影響による生活者と生産者さんの変化が大きな成長につながったと考えています。

 元々食べチョクは2019年でコアファンを獲得し、2020年で大きな投資をしながら利用者数を広げていくフェーズでした。そして、生活者側でも徐々に食のECが定着し始めていました。その中で新型コロナウイルスが流行し、生産者側も卸していた飲食店やホテルへの出荷がストップされ、新たな販路を求めていたこと、そして生活者側もおうち時間が増えて自炊に対するニーズが高まり、食材にストーリーを求めるようになりました。これらの要因がすべて重なり、これだけの成果が生み出せたと考えています。

激動の1年で学んだ二つのこと

――様々な要素が相まって大きな成長を遂げた食べチョクですが、この1年でどのような知見・学びが得られましたか。

 大きく二つあります。一つはお客様と向き合うということですね。お客様をきちんと見ないと一方的なプッシュになってしまい失敗します。テレビCMを出稿する際も、思ったより食材のシズル感やおいしさに対する期待が高いことがわかったからこそ、効果的な施策となりました。きちんとお客様が求めていることを届けていくためのノウハウがこの1年で培われたと思います。

 もう一つは、食べチョクのようなサービスで市場を取っていけるという実感が持てたことです。ネット上で農家や漁師の方が直売するという文化がない中で、最近の調査では食べチョクの認知が11%を超えてきました。直接農家や漁師の方から食材を買うなら食べチョクという認知が広がっていることが感じられました。ユーザー層も、2019年時点に比べて一般化して、これまでスーパーで買い物していた主婦の方の利用も非常に増えています。

 これも、生産者の皆様と協力していろんな商品を用意できたのが良かったと思っています。たとえば魚介類でも、さばき方に関する説明を書いた手紙を入れるだけでリピーターが増え、売り上げが伸びたケースもありました。このように、生産者さんの売り上げを伸ばすための商品作りもサポートしてきました。生産者の皆様も主体的に様々な商品を考えていただけています。これからもまだまだ生産者さんのファンを増やせると思っています。

直近は高齢の生産者が使いやすいサービス設計に注力

――2020年に爆発的な成長を見せた食べチョクですが、2021年以降の展望を教えてください。

 農業従事者の平均年齢は67歳です。一方で食べチョクを利用いただいている生産者さんの年齢層は40代〜50代の若手生産者の方が多いのが現状です。2021年は食べチョクをより高齢の生産者さんでも出品しやすいプラットフォームにしていきたいと考えています。

 2020年からは「ご近所出品」というご近所(地域)の生産者さんが一緒に出品できる機能をリリースしました。その結果、90代の生産者さんの出品も増えています。これからもより多くの生産者さんにとって使いやすいサービスとなるよう改善や機能の開発を進めていきたいと思います。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:48 https://markezine.jp/article/detail/35100

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