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大宮千絵さんの2冊

2020/12/25 15:45

 マーケティング業界で活躍するキーパーソンたちの知識量、またそこから生み出される斬新なアイデアにはいつも驚かされます。彼ら・彼女たちは、日々どのように情報収集を行っているのでしょうか?普段あまり明かされることがない「マーケターの本棚」を覗いてみましょう。

目次

※本記事は、2020年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』60号に掲載したものです。

株式会社ベネッセコーポレーション 大学・社会人事業開発部 大宮千絵氏
行政事業責任者、ソーシャルビジネスプロデューサー。日産自動車にてマーケティングリサーチ業務に従事したのち、NPO法人TABLE FOR TWOのCMOを務め、ソーシャル・マーケティング施策「おにぎりアクション」の企画・立ち上げを行う。2017年日本マーケティング大賞奨励賞、アジア・マーケティング3.0アワード大賞を日本人として初めて受賞。2019年第3回ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞。2020年8月より現職。福井県未来戦略アドバイザーを兼業。

Q1.最近、いちばん感銘を受けた書籍とその理由は?

 『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』です。

『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』唐澤俊輔 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン 1,800円+税
『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』唐澤俊輔 著
/ディスカヴァー・トゥエンティワン 1,800円+税

 優れたマーケティング施策、事業展開をし続けていくためには、その組織の体制や文化を含めた「カルチャー」が大きく影響しているということ、「カルチャー」の強化なくして事業成長はないことを、これまでのキャリアを通して感じてきました。組織カルチャーはその組織に属する一人ひとりが創り上げ、意思決定時の判断基準ともなるものですが、明文化されていないことも多く、どう強化していくかを考えていた中で手に取ったのがこの1冊でした。組織の「現在の姿」と「目指す姿に向けての打ち手」を、フレームワークを使いつつ考えられるため、組織のメンバー皆でこの本を読み、カルチャープロジェクトを立ち上げ、最高の組織文化構築に向け動いています。

 私がいるベネッセコーポレーションの大学・社会人事業開発部は、実は既に非常にユニークなカルチャーを醸成しています。大企業でありながら立場も議論もフラットかつオープンな組織で、メンバー個々人が、書籍・学習動画・メディア等から日々自律的に、かつ楽しそうに学習をし続けていることも特徴的です。こういったカルチャーをベースとし、事業が加速していることは非常におもしろいと思っています。学習し続ける組織文化だからこそ、フレームワークなど学んだことを共通言語にして、リモートワーク中心の中でも議論を深めていくことができています。事業成長をさらに加速するには、このカルチャーを明文化し、発信することで、さらに輪を広げていくことが非常に重要だと感じた本でした。

Q2.「マーケターならこれを読むべし!」という書籍とその理由は?

 『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』です。

『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)』西口一希 著 翔泳社 2,000円+税
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)』
西口一希 著 翔泳社 2,000円+税

 「顧客起点」「カスタマー・オリエンテッド」というキーワードはよく耳にしますが、その使われ方や中身は様々で、そのための手法を説いた書籍も多種多様に存在します。その中でも、内容に強い納得感があり、すぐに実践に活かせる学びが凝縮されていたのがこちらの書籍で、今後の実践時のバイブルとしたいと感じる素晴らしい内容でした。

 これまで日産自動車での経験や、NPOでの事業開発・マーケティング経験を積む中で、時代の激しい変化において既存のフレームが活きない場面に数多く直面してきました。現場で試行錯誤を繰り返す中で、結果的に多くの人の心を動かすことに成功したのは、まさに「たった一人のカスタマー」を思い浮かべ、その人に向けてのメッセージを考え抜いてシンプルに発した時でした。この書籍では、そのたった一人のカスタマー像をN1分析で導いていく方法、それにより事業成長させる方法が非常に納得感のある形でフレーム化されています。ベネッセで私が担当している社会人向けオンライン学習サービス「Udemy(ユーデミー)」でも、この書籍のフレームワークを活用しながら今まさにこのN1分析を行っています。その中でもやはり徹底して、「たった一人」のお客様の心を動かすインサイト、カスタマージャーニーを大切にし、コミュニケーション提案をしていく重要性を感じた一冊でした。

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