コロナ禍でのクリエイティブ制作
松屋フーズさん(@matsuya_foods)とのお取り組みも継続しています。緊急事態宣言下では店舗やスタジオでの撮影ができず、クリエイターさんと直接つながってやりとりしながら自宅で撮影した画像やビデオを送ってもらうというスタイルに変わりました。
ですが、アカウントはなるべくそれまでの世界観をブレずに保つようにしました。外に出られない間、人々がスマートフォンを見る時間は長くなっていましたが、「どこを見ても新型コロナの話題ばかり」では気がふさいでしまうと感じたからです。私自身も新しいアイデアが湧いてこなくなり、苦しんだ時期がありました。直接的な表現を使わずにステイホームしている人たちに寄り添うにはどうしたら良いか考え、“おうち時間”を一段階かみ砕いた上で、コンテンツに落とし込みました。たとえば「インテリア×松屋」「ハンドメイド×松屋」のように、家の中で楽しく健康に過ごすためのトピックと松屋を掛け合わせる。アイデアを得るためにウェルネスについて随分勉強しました。
現在もリモート環境下でのコンテンツ制作の割合は依然多く、世界観とマッチするクリエイターさんを見つけることが一層重要になっています。
「シェアしたくなる」をどう作るか
シェアしたくなる発想を見つけるために、海外のアカウントを中心にウォッチしています。「この発想は企業アカウントで活かせそう」「企業アカウントでやるとすれば、こんなことができそう」と思うものを保存していきます。好きな企業アカウントはKentucky Fried Chicken(@kfc)。Instagramに最適化されたクリエイティブが多数投稿されていて感動します。一方Domino’s Pizza(@dominos)のアカウントもすごい。ブランドの規模やフォロワー数を考えると凝ったクリエイティブを作ることもできるはずですが、徹底してピザの写真を投稿し続け、そのシズル感だけで勝負しています。ピザの写真を見るとなんだかハッピーになる、食べたい気持ちになるという人々の気持ちを理解しているから、このような戦略をとっているのだと思います。
日本のコンテンツからは、みんなが見慣れているものをどう“いじる”か、着想を得ることが多いです。また、クリエイターさんたちとアイデアを話し合うときは、その時々のトレンドではなく“抜け道”を教えてもらうようにしています。A社もB社もやっているから自社でもやろう、ではもう遅い。まだあまりやられていない“抜け道”を見つけるか、流行りのものを“いじる”か。そのどちらかに振り切ると受け入れられやすいと感じます。
