グローバルブランドへと成長したG-SHOCKのDX
江端:カシオの代表的ブランドであるG-SHOCKのDXに関しても話していただけますか。
石附:私が入社して一番驚いたのは、G-SHOCKがここまでグローバル含め多くの方に愛してもらえているブランドだということです。
ただ、落としても壊れない腕時計というタフさやファッションアイテムとして人気を得てきましたが、いずれもモノを売るにとどまっていたので、現在は事業全体でブランドのサービス化を進めています。
そのやり方は準備中ですが、目指しているのはG-SHOCKの強いブランド力生かして、顧客ともっとつながり、喜んでもらえるビジネスモデルにすること。ブランドのファンに話を聞くと、時計の枠を超えて自分のパートナーと感じてくれている人が本当に多いので、そうした価値を訴求していくことで、さらに市場を拡大できると考えています。その際にDX、デジタルは欠かせないと思うので、部としてそこに貢献していきたいです。
まだ詳細は言えませんが、今年から色々なサービスや施策を展開していく予定ですので、楽しみに待っていてほしいです。
江端:DXを考える上で大事なのは、どの課題を解決するかですよね。国内がマスク不足のときにシャープがマスクの生産に乗り出し、その姿勢が評価されていましたが、そうした困りごとを治すのか、はたまた新しい価値を提供するのか。両方一緒にできればいいですが、今の社会は困りごとが多いので、そこを解決することで新しいブレイクスルーが生まれることが多いかもしれません。
石附:機能的なことから心理的なことまで、世の中のジョブは幅広く存在しているので、それにG-SHOCKらしいやり方で上手く寄り添っていければと思っています。
そのひとつとして、「スポーツ・健康」というテーマに貢献しようと、アシックスさんとの価値共創事業を開始しました。他企業と組むことでカシオの強みが届けられると考えていますので、これからも積極的にそうした共創に取り組んでいくつもりです。
江端:パートナリングは今後重要なポイントになってきますよね。一社で完結するようなサービスは今後少なくなっていくでしょうし、グローバルでケイパビリティをつけていく上でも必要だと思います。
ここまでいろいろとお話を聞かせてもらいましたが、「DX2.0の4P」の要素をきっちり抑えていますし、デジタル統轄部と各事業が一緒になってDX推進している体制は非常に進んでいます。データ統合などが実働し始めれば身になることでしょう。
G-SHOCKブランドをベースにグローバルに拡大できる潜在力も持っているので、引き続き今後の動向に期待しています。
