経験を活かしてクリエイターを支えたい
――その後、ピクシブへ転職された理由を教えてください。
企業としてのポテンシャルを感じたからです。ピクシブのミッションは、「創作活動がもっと楽しくなる場所を創る」こと。このミッションが、本当に社内のすみずみまで浸透している組織です。知人を通して社内の方と交流する機会があったのですが、知れば知るほど、働く人たちとプロダクトにブレがなく、ユーザーへまっすぐに価値が届けられる環境があると感じていました。また、マーケティング戦略室が発足して1年が経ち、ピクシブの様々なプロダクトを世の中に発信していくフェーズであると聞き、マーケターの介在価値が高いとも思いました。
現在は、作品を投稿するクリエイターとそのファンの方に、サービスを横断した新しい体験を提供する仕組みや、ブランディングを想定した全社を巻き込んだプロジェクトを立ち上げています。ピクシブは現在、約15のサービスを運営しています。作品の投稿一つとっても、pixivだけでなく、気軽にイラストを描いて創作過程も含めてシェアできる「pixiv Sketch」がありますし、創作を立体物で表現できるサービスとして、作品をグッズ、アパレルアイテムにできる「pixivFACTORY」や創作でつながるクリエイターズマーケット「BOOTH」もあります。私自身は「創作活動の楽しみ方は無限にあるはず」という信念を持っているのですが、ピクシブの各種サービスを掛け合わせることで、それを実現できると考えています。

またピクシブでは、各プロダクトマネージャーが、SNS運用やDMなどのマーケティング実務を担当することもあります。そこで、社内全体のマーケティングスキルを底上げするため、マーケティングの勉強会「ピクシブ学園」を開催しました。配信システムを整え、学校らしい雰囲気のクリエイティブを制作し、Slack上でコメントを交わす双方向の仕組みも整えるなど力を入れて進めたところ、社員の6割以上が参加してくれる場になっています。
――充実したお仕事ぶりが伝わってきます。特にやりがいを感じるのはどんなときですか。
戦略コンセプトやプランニングどおりに商品が売れたり、プロモーション企画でユーザーの反響がうかがえたりと、マーケティングの成果が目に見えるときは、嬉しいですね。現在はエンターテインメント業界でも、ファンとのコミュニケーションがより大切になってきています。イベント中に大きなプロモーション企画を発表し、ファンの皆さんが泣くほど喜んでいる姿を見たり、運営に届く「素敵な企画をありがとう」というメッセージを受け取ったりと、お客様の反応を実感できる瞬間は、何度体験しても良いものです。