メディアアロケーションの事前準備
ここから、メディアアロケーションの前にすべきことを列挙していきます。まず、対象ブランドでは「どんなファネルが設定できるか」を検討します。前回の記事で説明したように、ブランド独自のファネル設定、特にミドルファネルにおける具体的なターゲットの状態を定義することが重要です。この手順を通して、ファネルのどこを強化すべきかを検討します。
1、どんなファネルが設定できるか
- ・アッパーファネル「ブランド認知」(マスメディア認知・SNSによる共感認知)
- ・ミドルファネル「レリバンシー」(自分事化)
- ・ロワーファネル「購買時点施策」や「購買意向決定要素」など
その次に、POEマトリックスにどんな施策が考えられるかを漏れなくダブりなく書き出します。ここで施策を漏れなく書き出す目的は、俯瞰することなので、すべて埋めることに意味はありません。
2、POEマトリックスにおける施策の書き出し
- ・ファネルの配分条件から、行うべき施策と、必要のない施策、連携すべき施策をマップ化
- ・施策は常にフレームごとにあるわけではなく、また複数の役割を担う施策もある

そして、施策のコスト概算を算出し、必要かつ想定投資額内で可能な施策概要を取りまとめます。
3、施策のコスト概算と施策概要の取りまとめ
・各施策が最適化するメディア(POE)配分を算出
これらの段階を経た後に、各施策において、メディア投下のターゲットに対する「リーチ」「認知」「購買意向」「購買アクション」などを目的変数にして、メディアアロケーションを図ります。
4、各施策におけるメディアアロケーションを図る
- ・リーチ
- ・認知
- ・購買意向
- ・購買アクション
こうした一連のマーケティング施策検討があって初めてテレビとデジタルのアロケーションも可能になります。
ただ単にテレビとデジタルと言っても、デジタルには様々な広告手法(役割も様々)があり、GRP(投下量)がそのままプランに近いテレビとは違います。この際、デジタル側の役割もブランディング効果(アッパーファネルとミドルファネルでの機能)に設定した場合で考えます。テレビとリスティングであれば、端から役割が違うので、ファネル配分時点でアロケーションができます。