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コロナ禍で試される企業の「統合力」 一枚岩の営業×マーケティング組織を作る方法【お薦め書籍】

 「強い組織」とは何か――この本を読んだ後なら、その問いに対して「営業とマーケティングが連動した組織」と答えたくなるはずです。コロナ禍で社内外のコミュニケーションが非対面に切り替わる中、営業部門とマーケティング部門の分断が進んでしまった企業も少なくありません。本記事では、戦略、システム、体制、業務プロセスなど、あらゆる視点から営業とマーケティングの役割を再定義し、一枚岩のような強い組織を作るためのメソッドが載った一冊を紹介します。

営業とマーケティングをいかに連動し、具体的な施策につなげるか

 今回紹介する書籍は、『訪問しない時代の営業力強化の教科書 営業×マーケティング統合戦略』です。

『訪問しない時代の営業力強化の教科書 営業×マーケティング統合戦略』1,800円(税抜)セールスフォース・ドットコム、パーソル総合研究所(著)、渥美英紀(著・編)翔泳社

『訪問しない時代の営業力強化の教科書 営業×マーケティング統合戦略』1,800円(税抜)
セールスフォース・ドットコム、パーソル総合研究所(著)、渥美英紀(著・編)翔泳社

 編著者である渥美英紀氏は、BtoBの様々な業界において売上向上や営業改善のプロジェクトを担当する一方、アクセスログ解析システムやメール配信システムの開発を手掛けるなど、現場に根差したマーケティングの支援も行う人物。『ウェブ営業力』(翔泳社)、『Webマーケティング基礎講座』(翔泳社)を執筆し、営業とマーケティングいずれの領域においてもノウハウを発信しています。

 今回紹介する書籍のテーマは、「営業とマーケティングの統合」。オンラインシフトするビジネスの現場において分断しがちな両部門を、いかにして連動させ具体的な施策につなげるのか。本書ではこの問いに対し、2領域を横断的に支援する渥美氏と、営業人材の育成に携わるパーソル総合研究所、SFAやMAを提供するセールスフォース・ドットコムが、それぞれの立場からシェアした知見をまとめ、実践的な解を提示しています。

 コロナ禍によって、多くの企業がオンラインシフトに取り組まざるを得なくなった昨今の状況を、著者はどのように分析しているのでしょうか。

コロナ禍で試される企業の「統合力」

 渥美氏は本書の冒頭で、コロナ禍という危機により各社の「営業×マーケティング統合力」が否応なく試されたと述べています。危機に直面する前から、2部門が一体となって活動するための準備をしていた企業は、ビジネスが非対面中心に切り替わったタイミングでアクセルを踏むことができた一方、変化のスピードに対応が間に合わなかった企業もあると指摘。アクセルを踏めなかった企業の特徴を、渥美氏は次のようにまとめています。

【マーケティング的な要因】
・Webセミナーをやろうにも、集客のもととなる母集団・データベースがない
・広告を強化しようとしても、今までの実績がなく予算が承認されない
・Webサイトを強化しようとしてもコンテンツのネタに乏しい

【営業的な要因】
・営業の活動内容がオンライン化でよく分からなくなった
・営業担当に適切なアドバイスをしようにも、対面で行っていたような指導やOJTができない
・お客様の変化に合わせた新しいサービスやその商談の準備ができていない

【複合的な要因】
・営業とマーケティングの役割分担がうまくできていない、そもそも機能がうまく分かれていない
・営業とマーケティングの手法やメッセージがちぐはぐで、一貫した施策になっていない
・営業やマーケティングのシステムの整備や連携ができていない
(p.2)

 これらの要因は、たとえばMAやSFAなどのシステムを導入・刷新するだけで解決できるものではなく、戦略・システム・組織・計画・体制などの様々な要素がシームレスにつながることで、初めて変化に対応できるといいます。

一枚岩の組織を作るためにマーケターができること

 では、ビジネスのオンラインシフトに対応できる一枚岩の組織をどのように作ればよいのでしょうか。本書では、一枚岩を構成する要素を9つの章に分類した上で、それぞれの意義や具体的な役割、実践のためのフレームワークを紹介しています。

 渥美氏は本書の中で、マーケティングの目的を「ブランディング」と「リード・商談獲得」に大別し、これから統合的な組織を目指す企業においては「一定のリード・商談獲得の実績を積み上げてからブランディングを行う方が建設的」だと主張。なぜなら、盤石な営業モデルが確立できていない間はブランド価値を証明する営業活動ができないため、ブランディングを試みてもイメージを裏切ることとなり、むしろ逆効果になるリスクがあるからだといいます。

 本書では、このように目的を整理した上で、リード・商談獲得を推進するための具体的なアプローチ方法も紹介しています。なお、いずれのアプローチを選択するとしても「現状の仕組みをつぶさに分析し、その延長線上に目指すべきモデルを見据えることが盤石な仕組み作りにつながる」というのが渥美氏の意見です。

 本書は、営業とセールスの分断を解消したい組織のマネージャーから、既に2部門が連動しているものの、数字に成果が現れず実務でつまずきを感じている現場の担当者まで、あらゆる職位や職種、状況の読者に対応する教科書です。人によって参照する章は違っても、読了後は同じ志でそれぞれの業務に臨めるのではないでしょうか。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/03 09:30 https://markezine.jp/article/detail/36256

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