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図書館から公民館へ、ネットの新しい役割とは?


すべてのメディアはソーシャルメディアになっていく

マス広告はエンタメ、ネット広告はターゲティング

―――
「エンターテイメントとしての広告」でいくとどうですか?
湯川
「メントス×コーラ」とか、みんなが楽しめるネタをどれだけ用意できるかにかかっているのでしょう。

―――
テレビCMに代表される従来のマス広告、はどちらかと言えば「エンターテイメントとしての広告」寄りな気がします。ネットは「役に立つ」に強い印象がありますよね?
湯川
確かにそうです。ネットはターゲティングに向いたメディアですからね。

ロイヤリティの強さと、コミュニティが更に重要に

―――
いろいろなネットメディアやソーシャルメディアが登場していますが、どこが最終的に勝ち残るのでしょう?
湯川
わたしは、すべてのメディアはソーシャルメディアになっていくのだと思っています。そしてメディア間の争いの中で、ロイヤリティの高いコミュニティを持っているところが有利になるのだと。

アメリカでYouTubeが登場したとき、最大のソーシャルメディアはMySpaceだったのですが、YouTubeの伸びが速く「MySpaceの時代は終わった」という論調が出たんです。でも、MySpaceの幹部は「YouTubeはMySpaceの背中におんぶされているだけ」と、こうした論調を一蹴しました。

ユーザーはYouTube上の動画の話をMySpace上で議論し、
  • 「YouTubeへは動画を見に行くだけ」
  • 「YouTubeはMySpaceの動画の、ストレージ場所になっている」
  • 「YouTubeを超えるサービスを提供する必要はない」
  • 「同等のサービスをMySpace上で提供するだけで、YouTubeなんてだめになる」
と言ってました。確かにその可能性は否定できないと思います。iTunesやアマゾンでさえ、強大なソーシャルメディアの力を怖れるようになると思います。『爆発するソーシャルメディア』の書評が気になってネット上でよく読むんですが、アマゾンにはこの本の書評は3本しかない。ところがミクシィには22本もある。書評のコミュニティはアマゾンからミクシィに移行したんじゃないでしょうか。

力を持つのはコミュニティを抱えるソーシャルメディアで、それ以外のサイトは、ストレージEコマースといった機能をソーシャルメディアに提供するサービスプロバイダーでしかない、という時代になりつつあるのだと思います。
―――
テクノラティKIZASIなどを見てみると、ネット上のコミュニティの話題の多くが既存メディアのものですね。
湯川
既存メディアに情報が集まってくるのは、「既存メディアに情報を提供すればその情報が広く伝播するという期待」があるからです。読者、視聴者という既存メディアの周りのコミュニティに期待されているわけです。

ところがネット上では、報道機関とは別の場所にコミュニティが形成され始めました。そして、そのコミュニティ向けに情報が流れ始めています。ただオフラインでの情報伝播力という点で、既存メディア周辺のコミュニティはまだまだ有効だということです。

もし、そのオフラインのコミュニティがオンラインに移行していけば、既存メディアの情報収集力が低下する可能性があります。
―――
そういう意味では、既存メディアも「人が集まっている」ソーシャルだから価値があると?
湯川
そうですね。新聞でもテレビでも、受け手のコミュニティは存在してきました。そういう意味で、一種のソーシャルメディアだったわけですね。「ロイヤリティの強い読者、視聴者コミュニティを持っているところが強い」というのは以前から真理なわけです。ネット上にメディアが移行する中でそれがますます重要になる、ということなんだと思います。

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この記事の著者

小越 崇広(オゴシタカヒロ)

サイバーエージェント入社後自社メディアの営業・プランナーを兼務し、 新興メディア上でのコミュニケーション立案に携わる。2006年11月同社のネット トレンド研究室立ち上げに参画。翌1月から同社の100%出資子会社のCAテクノロ ジー に出向。同社のマーケティング局の立ち上げに奔走している。個人ブログ は今日のニッパウ。Tw...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2008/06/16 15:42 https://markezine.jp/article/detail/3657

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