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図書館から公民館へ、ネットの新しい役割とは?


ネット広告、次の覇者は?

人を集め、効率的な広告手法を収めたところが覇者になる

―――
ソーシャルメディアのマネタイズについて、何か仮説がありますか?
湯川
そんなの言ったら、盗まれるじゃないですか(笑)。うそですけど・・・。

広告は「エンターテイメントとしての広告」か「役に立つ広告」かの2つしか究極的にはないと思います。「ソーシャルメディアの中でこの2つの情報をどう出していくか」という考え方じゃないかと思います。

後者の「役に立つ」の代表例がAdwordsだったり、行動ターゲティングだったりだと思います。Adwordsもいうなれば行動ターゲティングです。「検索する」という行動に対してのターゲティングですから。

だから、「ネットサーフィンという行動」へのターゲティングだったり、「人とつながるという行動」へのターゲティングだったり、いろんな人の行動をとらまえてマッチした情報を提供していくという方法がこれから開発されていくんでしょうね。

というか、検索以外の行動からターゲティングする広告手法を編み出したところが次のネットの覇者になるのだと思います。ネットの商業利用が始まった最初のころは、ポータルに人が集まりました。情報を収集するにはそれが効率的だったからです。それでポータルがバナー広告で売り上げを伸ばし、ネットの覇者になった。

でもユーザーがネットに慣れてくると、ポータルにない情報にアクセスしたくなりました。そこで検索エンジンの役割が増した。しかも検索に広告を連動させる手法が開発され、大きな収益を上げた。

つまり、人を集め、その上で効率的な広告手法を手中に収めたところが覇者になってきたわけです。

図書館から公民館へ、ネットの新しい役割

湯川
今、人はソーシャルメディアに集まり始めています。人々のネット利用時間の中で検索に当てる時間は、わずか5%といわれます。残りの95%は検索以外のことをしている。その中でも大半の時間が、SNSや動画共有サイト、MySpaceなどのソーシャルメディアに費やされ始めているわけです。

人々がソーシャルメディアに集まり始めた。あとは集まった人向けに有効な広告手段を開発するだけです。そうなればネットは次の段階に進化する。わたしが著書『爆発するソーシャルメディア』のサブタイトルを「グーグルを超えるウェブの新潮流」としたのはそういう意味です。

「グーグルを超える」としたことに、疑問を呈する読者は多かったです。「妄想がかっている」というレビューもありました。ですが、10年前にネットが登場した際に「マイクロソフトの牙城が崩れる」と書いたときにも、読者から同じような反応を受けました。数年前に「米ヤフーの全盛期が終わりグーグルの時代になる」と予測すれば、同様の反発を受けていたと思います。覇者の力が余りに強いと、その覇権が永遠に続くような気がするものです。

でも、次の時代は必ず来ます。それも多くの人が予想しているより、ずっと早い時期にくるでしょう。

今のネットは図書館のようなものだと考えています。「必要な情報は存在していて、膨大な中からいかに効率よく探すか」という場所です。

次は公民館になるのだと思います。「情報を集める為にネットを使う」から「みんなが集まるのが楽しいからネットをやる」という変化です。

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すべてのメディアはソーシャルメディアになっていく

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この記事の著者

小越 崇広(オゴシタカヒロ)

サイバーエージェント入社後自社メディアの営業・プランナーを兼務し、 新興メディア上でのコミュニケーション立案に携わる。2006年11月同社のネット トレンド研究室立ち上げに参画。翌1月から同社の100%出資子会社のCAテクノロ ジー に出向。同社のマーケティング局の立ち上げに奔走している。個人ブログ は今日のニッパウ。Tw...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2008/06/16 15:42 https://markezine.jp/article/detail/3657

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