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データで読み解く

「エシカルな人」が好むブランド、購買行動の特徴とは?

 買い物時に“エシカル消費”を意識している人とは、どのような人たちなのだろうか。ライフスタイルや購買行動、嗜好の特徴を明らかにする。

※本記事は、2021年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』66号に掲載したものです。

 エシカル=ethicalとは、直訳すると「倫理的」や「道徳的」という意味で、「エシカル消費」は人や地球環境、社会に配慮した消費やサービスを指し、消費者庁によって推進されている方針の一つである。SDGs(持続可能な開発目標)で掲げている17の目標のうち、12番の「つくる責任・つかう責任」は、少ない資源でより多く、より質の高いものを得られるような生産と消費のパターンを作り上げることを目指しており、エシカル消費の考え方と密接に結びついている。

 今回の「データで読み解く」では、リサーチとデータ活用でマーケティング支援を行う株式会社マクロミルの「ブランドデータバンク」のデータから、“買い物時にエシカル消費を意識している人”(以下、エシカルな人)をピックアップし、ライフスタイルや購買行動、嗜好の特徴を明らかにしていく。

 なお、「エシカルな人」については、ブランドデータバンク第32期調査(2021年1月実施)の回答者に追跡調査を行い抽出した。具体的には、以下の質問で2つ以上の項目を選択した人を「エシカルな人」(n=111)と定義し、ブランドデータバンクの20〜69歳全体(n=31,253)のスコアと比較している。

質問文:あなたの普段のお買い物で「必ず意識しているもの」として、あてはまるものをすべてお選びください(タップで画像拡大)
質問文:あなたの普段のお買い物で「必ず意識しているもの」として、あてはまるものをすべてお選びください(タップで画像拡大)

一定の消費行動をしつつ、貯蓄もコツコツ行う堅実派

 まずは、エシカルな人のプロファイルについて分析していこう。図表1はエシカルな人の割合を性年代別にまとめたものである。

図表1 エシカルな人の割合(タップで画像拡大)(タップで画像拡大)
図表1 エシカルな人の割合(タップで画像拡大)(タップで画像拡大)

 男女比で見ると、女性の割合が65%と高い。年代の内訳を見ると、60代が最も多く、次いで30〜40代が多い傾向で、平均年齢は46.4歳となっている。

 職業については専業主婦/主夫が23%と高く(全体比+6ポイント)、一方で会社員は38%とやや低い(全体比−4ポイント)。個人年収は平均325万円と、全体平均(391万円)と比べて低めだが、世帯年収の平均は614万円で、全体平均(590万円)をやや上回る。そのため、1ヵ月に自由に使える金額(平均34,200円)や1ヵ月の貯蓄額(平均32,200円)も全体平均と比べて高めの金額となっている。

 上記を踏まえると、自身の年収は低めでも、世帯年収でみると平均水準を上回っており、一定の消費行動をしつつ貯蓄もコツコツ行っている堅実派タイプ、ということが言えるだろう。

環境や社会的貢献への関心が強く、モノ消費よりコト消費を重視

 次に、エシカルな人がどのような価値観を持つのかを見ていく。図表2は、価値観の質問で全体との差分が大きい項目をピックアップしたものである。

図表2 エシカルな人の価値観(タップで画像拡大)
図表2 エシカルな人の価値観(タップで画像拡大)

 最も特徴的なのは生き方に関する価値観で、「環境問題への関心を強く持っている」「社会的貢献をしたいと思っている」の項目が全体平均と比べて25〜30ポイントほど高く、環境や社会的貢献への関心が強いことがわかる。また、「お金をかけるならモノよりも、記憶や思い出に残るイベントのほうが有用だと思う」の項目も高く、モノ消費よりコト消費を重視する傾向が見えてくる。

 消費価値観では、「自分が気に入れば、ブランドや評判は気にならないほうだと思う」「情報に踊らされるのは、もううんざりしている」「良いと思ったものは、思わず他人にも勧めたくなってしまう」といった項目が全体平均と比べて高い。情報やブランド・評判に惑わされず、自分が気に入ったものを選び、良いと思ったものは他人にも勧めていく、というような消費傾向を持つことがわかる。

 また、購買行動の価値観では、「これだ、と思う商品に出会ったら、迷わず購入することがよくある」「これだ、と思って衝動買いした商品の中には、意外と失敗は少ないように思う」「消耗品などは気に入ったものを繰り返し使い続ける」「一度使って気に入った商品は同じシリーズやその会社の別商品を購入する」などの項目が高いことから、買い物上手で、一度気に入ったブランド・企業の商品についてはリピーターになりやすい、という傾向が見て取れる。

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マクロミル(マクロミル)

高品質・スピーディな市場調査を提供する、マーケティングリサーチのリーディングカンパニー。生活者のインサイト把握やデジタルマーケティング施策の広告効果測定など、マーケティング課題解決に向け最適なソリューションを提供。世界21カ国、50の拠点を展開し、唯一無二のグローバル・デジタル・リサーチ・カンパニーを目指す。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/29 07:30 https://markezine.jp/article/detail/36615

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