コンテンツや旅行などの体験を好み、健康意識が高い一方でお酒好きの一面も
今度は、上記のような価値観を持つエシカルな人が、どのような趣味や興味・関心事を持つのかを見ていこう。図表3は、趣味、興味・関心事で全体との差分が大きかった項目をピックアップしたものである。
趣味では、読書、動画視聴(インターネット・配信サービス等)、国内旅行、料理、映画鑑賞、園芸・ガーデニングなどが全体平均と比べて高い。また、興味・関心事では、本・雑誌、健康・医療、映画・観劇、旅行・レジャー、お菓子・食品、資産運用などが高い。本・映画などのコンテンツや旅行などの体験を楽しむ層と言えるだろう。
健康意識が高いことと関連してか、ウォーキングを行う人の割合が23%と、全体平均より10ポイントほど高いが、その他のスポーツにはそれほど積極的ではない様子である。
その一方で飲酒する人の割合が71%と高い(全体比+13ポイント)のも特徴的だ。ただし、1ヵ月に使う外食費(平均金額)は9,383円で、全体平均に比べて1,000円程度低いことから、外食やお店で飲むより自宅で食事・晩酌を楽しむ人が多いものと推察される。
また、資産運用への関心が高いことと関連して、投資信託(25%、全体比+11ポイント)や国内株式(25%、全体比+6ポイント)の保有率が高いことも挙げておく。
購買行動ではシンプルさや機能性を重視、商品の安全性へのこだわりも
次に、エシカルな人の好むメーカー・ブランドはどのようなものかを見ていく。ファッションブランドについては、男性でユニクロ、PORTER、NIKE、女性でGU、ZARA、COACH、卑弥呼などのブランドを好む人が多く見られた。服に関してはファストファッション中心だが、バッグや靴については品質面を考慮してか、ハイブランドの商品を選択している様子である。
家電メーカーではパナソニック、ソニー、アイリスオーヤマを好む人が全体平均より多い。また、よく利用している雑貨・インテリアショップでは無印良品、ニトリ、東急ハンズが多く挙がっており、上記のメーカー・ショップの嗜好性からはシンプルさや機能性を重視する傾向が見て取れる。
また、化粧品については特にスキンケア製品を選ぶ際にこだわりを持っており、効果の高さや使い心地といった一般的な重視点に加えて、安全性、無香料、無着色・無添加などについて重視する人が、全体平均に比べて多かった。このカテゴリーで好きなブランドでは、ちふれ化粧品、無印良品などが全体平均と比べて目立つ。
なお、エシカルな人が「どのような企業についてエシカルなイメージを持っているのか」を追跡調査で聴取したところ、自動車、飲料、化粧品などの業界を代表する大手メーカーを挙げる回答が多かった。また、その企業を選んだ理由では、各企業の具体的な社会貢献への取り組みまで理解した上で、エシカルなイメージを持っていることがわかった。
